出版社内容情報
火葬場で死体焼却にたずさわる男は不断に死を見続けながらも、その仕事に心をこめていた。朝日カルチャーセンター出身の主婦作家が無償の献身を描いた芥川賞作品
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
101
【芥川賞】親の代から焼き場の仕事をする敏夫。焼いた人のお骨を拾う。たんたんとした描写と、正子との関係。やまあいの煙は、焼き場の煙。そういえば、やまあいの鉄道で進むと、駅毎に焼き場がある地方を思い出した。2014/03/21
丰
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Y-202002/11/13
くとうてん
0
4篇収録されている。どれもテーマや戦中・戦後の時代背景もあってか重苦しい。生きていく上での生々しい葛藤が描かれている。 著者も「探っても探り切れない自分自身に向かって書きながら尋ねもとめてゆく」とあとがきに記している。表題作の「やまあいの煙」は、 火葬場で遺体を焼く仕事をしている男の仕事への矜持や死者と遺族に対する真摯な姿勢、仕事から得た彼の生死感に感銘をうけた。 ただ、後半の息子を亡くした老婆とのくだりにどうにも違和感が残ったのが残念だ。2022/04/17