出版社内容情報
江戸川乱歩、三島由紀夫、徳川夢声など昭和を彩った文化人三十四人の素顔を知られざるエピソードや事実で浮き彫りにした小伝集
内容説明
江戸川乱歩、小泉信三、三島由紀夫、徳川夢声、有吉佐和子など昭和を彩った文化人34人の素顔。これらの人々と親交深かった著者だけが知り得た珍しいエピソードや新事実で鮮やかに人間性を描出している。「ちょっといい話」に通じる知的面白さと、滋味あふれるエッセイの楽しさを兼ね備えた稀有な評伝集。
目次
江戸川乱歩の好奇心
徳川夢声の話術
有吉佐和子の笑い声
菊田一夫の博愛
芥川比呂志の酒席
小泉喜美子の博識
三島由紀夫の哄笑
川口松太郎の人情
岩田豊雄の食味
古川緑波の冗句〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーイチ
31
図書館本。単行本だが、何故かヒットせず。文庫本にて代用。劇評家、小説家、エッセイスト、とにかく物書き。1915年東京生れの慶應ボーイ。「ちょっといい話」という雑文がブームになった。テレビにも出ていたらしいが、記憶に無い。何せ大河ドラマが始まる前の番組らしい。推理小説も書いているが、未読。本書は平成の初めに連載されていた作者得意の「いい話」集。後記を夫人が執筆している、つまりそういう事。歌舞伎と新劇に関する薀蓄、見識では第一人者だったと思う。なかなか知る機会の無い歌舞伎評論の古老達の話は貴重。続く2016/06/22
UT
3
ページあたりの人物単価が異常に高い。ちょっとないくらいの豪華さだ。2014/07/17
check2012
2
どえらい本ですなあ。。。昭和の文化のいいところがつまっている。。。 東宝の藤本真澄さんの話などいいですワ。 新野新せんのご本で、今頃、はじめて知りました。 戸板さん、大事な方ですね。この名文は、はまります。 次は、戸板さんかな。そうなると歌舞伎もだな。。。2012/11/13
いちはじめ
1
34人の著名人を逸話でつづる評伝集。江戸川乱歩、徳川夢声あたりに興味があって読む。これまた戸板康二らしい語り口が好ましい2004/03/04
tamako
0
「八月の六日間」から。第二次ベビーブーム世代にとっては歴史上の人物と呼べる世代の劇作家や俳優たちとの交流録。それでも一人分読み終えるごとに検索したくなる実に魅力的で温かい筆致で、丁寧に味わいながら読んだ。男性が外出時に帽子を被っていたような時代、今は失われた品性に背筋が伸びる思いだ。2019/07/23