出版社内容情報
ハルビン駅頭で凶弾に斃れるまで艶聞絶えなかった伊藤博文。俊輔と名のる若き日の女性遍歴を明治維新の激動にかさねて描く異色作
内容説明
「伊藤、少し慎んではどうか」と明治天皇にたしなめられたほど伊藤博文の好色は有名だった。戸田伯爵夫人、下田歌子をはじめ、浮名を流した女性は数知れない。吉田松陰、桂小五郎、高杉晋作、井上馨、山県狂介ら長州の生んだ維新群像の中で、ひときわ異彩を放つ若き日の博文(俊輔)を鮮やかに描く長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Book Lover Mr.Garakuta
15
図書館本:時代を先駆けて生きていくことに際し、その仕事の重責に伴いミッションを達成するはけ口が好色に繋がっていたのだろうと思う。浮名を流した女性たちから様々な意見や助言も得ていたんではないかと思ったよ。2021/03/06
さっと
9
伊藤博文の維新志士として奔走した青年期を華々しい(凄まじい)女性遍歴とともに描いた作品。伊藤を主役に据えているものの、この時代、さすがに長州は松下村塾はじめ役者が多く、維新回天の青春群像劇としても読めるが、後々の対立や抗争を思うと感慨深いものがあるwタイトルどおり奔放な伊藤だけでなく、最初の結婚でつまずいた桂小五郎、親孝行と称して派手に遊ぶ高杉晋作、色事のかけひきも大真面目な大村益次郎、情事に劣らず錬金術にも長けた井上馨など、「色」を通した各自の人となりの描き分けもおもしろかった。2021/10/10
バトルランナ-
8
久しぶりに時代小説を楽しんだ。尻上がりに面白くなる。志士はロックンローラーみたいにもてたのね!長崎がたくさん出てきてアゲアゲ。グラバーさん、幕府にも、長州にも軍艦売っていたのね。いま、ロシアにもNATOにも武器売っている商人いるんだろうねぇ。挫折からの復活。4.6点。2022/05/11
Rutam
2
歴史の教科書には載っていない初代内閣総理大臣の人懐っこく図々しい人柄、人の3倍仕事をして同じくらい遊んでいた若い日々のこと。[新しい時代]よりも幕府という巨大な社会に対抗したい中二な青年達の心境が濃く伝わる。日々[命懸け]という言葉に酔っている痛い彼らに共感し共に楽しめた。2016/06/01