文春文庫
佐保姫伝説

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  • サイズ 文庫判/ページ数 364p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167278267
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

子供の頃に見て魂が震えた桜景色。初老の男はもう一度同じ場所へ辿り着けるのか? 現実生活の裂けめに覗く夢幻を切り取った短篇集。

内容説明

数年ぶりに神社の境内で出くわした古い親友は、塗りつぶした絵馬に何を託して去ったのか「初詣で」。子供の頃に見て魂が震えた桜景色。おぼろげな記憶をたよりに初老の男はもう一度同じ場所へと向かう「佐保姫伝説」。歳を重ねた大人たちの、いつもの日常の裂けめから静かに覗く夢幻。名手が描く芳醇なる短篇集。

著者等紹介

阿刀田高[アトウダタカシ]
昭和10(1935)年東京に生まれる。早稲田大学文学部仏文科卒業。国立国会図書館勤務を経て文筆活動に入り、54年、短編集「ナポレオン狂」で第81回直木賞を受賞。平成7(1995)年、「新トロイア物語」で第29回吉川英治文学賞を受賞。15年紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takaC

39
ネタはさておき、男(おじさん)が女(おばさん)を呼ぶときの呼称が登場人物の誰もが「あんた」なのが目に付く。2014/04/29

MIKETOM

6
庄野真代の「飛んでイスタンブール」に♪恨まないのがルールって歌詞があった。これが小説家・阿刀田高の作家本能にびびっと引っかかったようだ。そして「恨まないのがルール」ってタイトルで恨まないのがルールって内容の短編を書いた。なかなか面白い。「海を見に行く」舞台は佐渡。あくまで自分の意志を貫こうとする女とそれを受け入れる男。佐渡の描写がいい。阿刀田は「霧のレクイエム」で大野亀を書いたので本書では二つ亀を書いている(どちらも佐渡の名勝)。フェリーから見た佐渡の不思議な光景を、それを見るためだけに行きたくなった。2018/06/14

KAZOO

3
阿刀田さんの小説は、好きなのですが、読後感の印象が非常に薄くて後で思い起こしてもこんな感じだったのかなあという漠然とした感じです。すらっと読めてしまう12の短編集で、男と女のそんなにどぎつくない物語です。飽きがこない感じがします。それが阿刀田さんの魅力になっている感じがします。2012/09/12

石川さん

2
私も、阿刀田さんの短編に出てくる登場人物たちと年齢が近づいてきているんですが、こういう渋い人間にならないのが自分でも不思議です。たぶん、阿刀田さんが考えている以上に、今の大人って、もっと子供っぽいし、幼稚なんだと思います。もしかしたら時代が読めていないのかも…。黄昏流星群とか読んだ後の、微妙な違和感に似ている気がします。でも好きです。大人って、本当はこういう渋さが必要だとは思うんです。2013/10/08

かなた

2
よんだ!阿刀田高一冊目、たまにはさらっと読むのもいい。この作家代表作ってなんだろう…2012/05/10

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