文春文庫
脳みその研究

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  • サイズ 文庫判/ページ数 234p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167278243
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

昔から大ざっぱな性格の定雄は、人の名前を覚えるのが苦手だった。ところが定年を前に、急に記憶力がよくなり、却って不安を抱いてしまう。かわりに何か大事な能力を失っているのではないだろうか…。意表をつく表題作をはじめ、シチリアの夜を描く「海の中道」、母への憧れが生み出す「狐恋い」など珠玉の9篇。

著者等紹介

阿刀田高[アトウダタカシ]
昭和10(1935)年東京に生れる。早稲田大学文学部仏文科卒業。国立国会図書館勤務を経て文筆活動に入り、54年、短篇集「ナポレオン狂」で第81回直木賞を受賞。平成7(1995)年、「新トロイア物語」で第29回吉川英治文学賞を受賞。平成15(2003)年紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gonta19

29
2007/5/26、住吉のジュンク堂で購入。 2012/11/10~11/12 阿刀田さんの短編集。「脳みその研究」、「海の中道」、「兄弟姉妹」、「小説ウィスキー教室」、「応久礼を捜せ」、「裏窓」、「狐恋い」、「掌の哲学」、「雨のあとーあるいはエピローグ風の小品」の9編を収録。個人的には、「脳みその研究」が好みか。 初期作品を彷彿させるが、そこまでのインパクトは無い感じ。良くも悪くも、阿刀田さんの味は十分味わえる。 解説の香納諒一氏とそんな関係があったとは。それが一番意外であった。2012/11/12

S.Mori

27
傑作短編集。昔から短編が好きで作者の作品は多く読んでいます。近年の作品は人間の良い面も悪い面も全てひっくるめて肯定するような明るさと軽みが加わって、味わい深い物語になっています。「兄弟姉妹」は死期の迫った父親を兄と弟が温泉に連れて行く話です。過去の出来事を振り返りながら、思いもかけぬ結末を迎えます。一歩間違えば下ネタになりそうな内容を、ほろ苦く味わい深い物語に仕立てあげる作者の技量に脱帽です。2020/08/26

おいなり

9
再読。以前阿刀田作品が好きで読み漁っていた時期があったけど、あれ?こんな感じでしたっけ?なんだか少しがっかり。2013/04/17

MIKETOM

8
こんなタイトルだからてっきり蘊蓄を含んだエッセイ集かと思ったら短編集だった。全九編のうち他愛ないダジャレやオチのものが四編。ま、そのへんも阿刀田らしくていい。『狐恋い』は言ってみれば究極マザコン男の話なのだが、こういう書き方をされるとかえって切なく甘く胸に刺さるものがある。まあ、男にとっては原点でもあるからね。『兄弟姉妹』のラストのオチはねえ…(苦笑)いきなり淫靡な話になってしまって、でもなんとなくわかる。『海の中道』の幻想譚もまた阿刀田テイスト。死んだはずの人間が幻想的な風景の中に存在して…。悪くない。2020/05/20

ペプシ

8
★★★ この人の本は書き方がとにかく良い。1冊は読んでみることはオススメ。面白い、面白くないは好みが別れるけど、登場人物の語り口調なこの人の書き方は読んでいてクセになる。特にオススメは「小説ウイスキー教室」最初から最後まで登場人物と同じ気持ちでワクワクして読める。あとは「兄弟姉妹」「雨のあと」かな?2018/02/08

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