内容説明
昔から大ざっぱな性格の定雄は、人の名前を覚えるのが苦手だった。ところが定年を前に、急に記憶力がよくなり、却って不安を抱いてしまう。かわりに何か大事な能力を失っているのではないだろうか…。意表をつく表題作をはじめ、シチリアの夜を描く「海の中道」、母への憧れが生み出す「狐恋い」など珠玉の9篇。
著者等紹介
阿刀田高[アトウダタカシ]
昭和10(1935)年東京に生れる。早稲田大学文学部仏文科卒業。国立国会図書館勤務を経て文筆活動に入り、54年、短篇集「ナポレオン狂」で第81回直木賞を受賞。平成7(1995)年、「新トロイア物語」で第29回吉川英治文学賞を受賞。平成15(2003)年紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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