内容説明
人生の斜面を下りはじめた男のとめどない憂愁の中に、ふと立ちあらわれる過去の記憶。遠ざかった場所から響いてくる執拗な音色。「聖夜」「黄色い窓」「ぽっぺんを吹く女」他、日常の喧騒から曖昧に浮かぶ不思議な時を、短篇小説の名手が10篇の連作でつむぐ。耳をすますと聞こえてくる意識の底の静かな声。
著者等紹介
阿刀田高[アトウダタカシ]
昭和10(1935)年東京に生れる。早稲田大学仏文科卒業。国立国会図書館勤務を経て文筆活動に入り、54年、短篇集「ナポレオン狂」で第81回直木賞を受賞。平成7年、「新トロイア物語」で第29回吉川英治文学賞を受賞
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感想・レビュー
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優希
86
面白かったです。音をめぐる連作短編集でした。日常に流れる曖昧な音が聞こえてきそうです。それはもしかしたら意識の中に潜んでいる音なのかもしれません。2018/01/09
KAZOO
39
音をつながりにした連作短篇集です。音楽や一つのことばあるいは遮断機の音などがうまく話を脚色するような感じです。私は結構好きな類の短篇が入っています。「聖夜」「英語を話す犬」などにやりとするような感じが好きです。2015/03/28
キムチ
32
音に拘っての短編が10個。筆者の息子さん曰く「どっかで自分が出て来そうで嫌」と思わしめる雰囲気が独特。読み手の心情バランス次第でグルーミーにも単なるホラーにも読み取れる。してみると読書とは、来し方行く末をチンチンと鳴らしつつする賽の河原の石積作業にも似ている気がする。おりしも来世の方々が下りてくる時期的な感覚になっているせいだろうか。展開する風景は「THIS IS昭和」子供の頃、よく行っていた練馬や阿佐ヶ谷、小金井の風景が被る。しもた屋の家、木造アパート、脇を通る姐さんとすぐ馴染みになる・・2014/08/07
紡ぎ猫
15
短編が10本、裏表紙に「連作」と書かれてたけど、途中まで主人公が全部同じ人だとは気づかなかった。一番最初の「聖夜」が一番面白かった。2014/03/10
もりの
3
あんまりよく状況が分かんなかった。。2019/02/25