出版社内容情報
小説はどのようにして生まれるのか──。その舞台裏をつまびらかにした名エッセイ、待望の文庫化。小説の読み方を変えてくれる一冊
内容説明
アイデアだけでは小説にはならない。頭の中に浮かんだアイデアをどのように熟成させ、一篇の小説にしていくか―。短篇の名手が豊富な自作と、古今の名作を例にとり、自らの創作の舞台裏と、小説作法を語るエッセイ集。
目次
第1話 猫の耳立つ
第2話 反比例エレジー
第3話 幽霊の研究
第4話 二百万円の厚さ
第5話 ペンペン草の育て方
第6話 どんでん返し讃歌
第7話 旅のメモランダム
第8話 知識のかけら
第9話 科学する心
第10話 思案は琥珀色
第11話 糸で繋いで
第12話 いくつもの岐路
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
37
「猫の耳がぴんと立つ」、何か小説のヒントなるようなことに出会ったときにそのような感じがするようです。ご自分の著書や日本や海外の小説などを引き合いに出しつつ作家工房を紹介してくれます。日常の生活などでのちょっとしたことがそのまま作品に応用されていくのにはやはりメモなどをして努力されているのですね。2015/02/22
MIKETOM
10
阿刀田はアイデアストーリー作家に分類できるかな。まず骨格となるアイデアを見つけ出しそれに肉付けしていく手法。つまりアイデアがなければ始まらない。というわけで本書のタイトルになる。阿刀田本人の作品を多数紹介しながらアイデアに関する蘊蓄やら何やらを語っていく。日常のなにげない会話からヒントを得たりとか。ビビッと反応する瞬間を「猫の耳立つ」なんて表現している。俺がこの本に惹かれるのは、ここで紹介されている阿刀田の作品(50編ほど)の全てを読んでいるから。既読本の成立過程が明かされているのは読んでて本当に楽しい。2018/05/13
takaC
8
阿刀田式アイデア発掘法。(1999年3月読了)1999/03/13
ばー
7
著者の創作に関するエッセンス、舞台裏が詰まった一冊。参考になる。小説家というと突拍子も無く啓示的にアイデアが閃くと思っていた部分があるが、ある程度現実に地続きであることが分かり、親近感。百里の道も一歩から。人間、日々の努力が大事。2014/11/16
雪野きずな
6
創作の秘訣が書かれています。アフォリズム型は初心者でも作れそう。長編の秘訣はないのかな。2019/08/26