出版社内容情報
絶筆となった週刊文春連載他、放送作家として関わったテレビのこと、生前、関心のあった食べもの・旅などを纏めた達人のエッセイ集。
内容説明
ドラマ脚本家デビューのきっかけを綴った話、妹と営んだ小料理屋「ままや」の開店模様、人間町からアフリカまで各地の旅の思い出、急逝により「週刊文春」連載最後の作品となった「クラシック」等、名エッセイの数々を収録。日々の暮しを愛し、好奇心旺盛に生きた著者の溢れるような思いが紡がれた作品集。
目次
女の人差し指(チャンバラ;蜘蛛の巣;昆布石鹸;動物ベル ほか)
テレビドラマ(ライター泣かせ;ホームドラマの嘘;テレビドラマの茶の間;名附け親 ほか)
著者等紹介
向田邦子[ムコウダクニコ]
昭和4(1929)年東京生まれ。実践女子専門学校国語科卒業。映画雑誌編集記者を経て放送作家になりラジオ・テレビで活躍。55年に初めての短篇小説「花の名前」「かわうそ」「犬小屋」で第83回直木賞を受賞し作家活動に入ったが、56年8月航空機事故で急逝(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じいじ
68
向田さんは1929年生まれで、ひと回り違い巳年のお姉さんです。いきなり「高いところから墜落して…」の書き出しに、忘れていた彼女の不運な航空機事故死を想い出してしまった。向田さんのエッセイは、ご自分を気取らなので大好きです。今作も彼女の日常が手にとるように綴られていて面白い。そのひとコマを…紹介します。スーパーでの買物風景ー欲しい物を目の子勘定で籠に放り込みレジへ…、所持金が足りません。「レモンを戻します」「まだダメです」の押し問答…。出てきての彼女の「含蓄」の一言がサイコーです。ぜひ、ご一読ください。2025/02/03
おか
64
今回はこの作品集の中から「昆布石鹸」を読む。今年は公演予定が無いので ここで初心に戻り 朗読に挑戦する事になり 5名が其々の弱点を克服するべく 演出其々にテキストとして指定された。私は カギ括弧が有ると どうしてもそちらに意識がいって 色を付けて読みすぎる癖があるので カギ括弧の全くなく それでいて内容が面白くて ついつい色を付けたくなるこの作品を指定された。坦々と それでいて作者のワクワクや疑問や 思い出感を出せるか 勝負です(#^.^#)2018/01/06
優希
60
日常が見えるようなエッセイでした。日々を好み、好奇心の塊のように生きた向田さん。古き良き昭和とあふれそうな想いが詰まっています。2021/05/10
i-miya
53
2013.11.03(初読)向田邦子著。 2013.11.01 (向田邦子) S04生まれ、東京都。 実践女子専門学校国語科卒。 S56.08、航空機事故死。 (カバー) (1)ドラマ脚本家デビューのきっかけとなった話、(2)妹と小料理店「ままや」開店の話。 (3)旅の想い出、人形町からアフリカまで。 (解説=北川信=元日本テレビ専務) デビュー作、『ダイヤル110番』の頃。 S33。 警察の110番を広める目的の番組。 (本文) 台詞のうまさ。 2013/11/03
ホークス
42
脚本家・作家の向田邦子は、51才のとき航空機事故で亡くなった。本書は色んな雑誌などに書かれたエッセイ集。時代的な違いなどは気にならなかった。歯切れが良いけど荒っぽくない。はっきりした意見がありながら押し付けない。およそ、何かに執着や依存などしないように見える。ナイーブな部分ももちろんあるけれど。著者の特質の一つはポジティブで強い意志の力、もう一つは世界をクールに見据える思考の力、二つが高いレベルで拮抗している感じ。武田百合子や白洲正子を連想させる感覚の自由さもあり、とても惹かれる。2023/12/11