出版社内容情報
父親の愛人問題にやきもきする四姉妹。だが、彼女たちもそれぞれ複雑な問題を抱えていた。赤裸々に描かれた家族のエゴと愛憎
内容説明
年老いた父に愛人がいた!四人の娘は対策に大わらわ。だが、彼女たちもそれぞれ問題を抱えていた。未亡人の長女は不倫中、次女は夫の浮気を疑い、三女は独身の寂しさに心がすさみ、四女はボクサーの卵と同棲、そして母は…肉親の愛憎を描き、家族のあり方を追求してきた著者の到達点ともいうべき力作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
114
四姉妹の悲喜こもごもと昭和の家族の日常が興味深かったです。姉妹の抱える問題それぞれが、そういう想いをしてしまうものだと共感しました。庶民の香りが漂うからこそ惹かれるものがあるような気がします。父親に愛人がいたことが事件のように語られますが、そこから考える家族のあり方というものがあると思いました。肉親の愛憎劇ながらも何処か平凡な空気が好ましい。昔録画したドラマがあるはずなので、そちらも見てみたいですね。2017/05/29
takaichiro
107
邦子さん。昭和を代表するホームドラマ原作の大御所。父母・4人姉妹の6人家族を中心に目まぐるしく起こる出来事を、ドタバタの音が聞こえる様なシーンチェンジとスピードで展開。セリフが多く小説というより24回シリーズの台本。70を超えた父親の愛人の存在、長女は不倫、次女は夫の浮気を疑い、三女は独身を悲しみ、四女はボクサーの卵と同棲。母親のふじは物事に動じない、所謂肝っ玉母さん。ふじによってかろうじてバランスを取っているが、ふじは急逝を遂げる。扇の要を失うが父姉妹はそれぞれの思いを生きる。昭和の活力、僕は好きです。2020/01/07
香取奈保佐
107
気が強くて怒りや争のシンボルである「阿修羅」を女性になぞらえた。個性的な4姉妹のてんやわんやを、慌ただしく描く■自分の意見を曲げない彼女らは、すぐのぼせ上がり、けっして同じ方向を見ない。では、いさかいを絶やさない彼女たちは仲が悪いのか――。そう言い切れないところに家族の不思議さがある■「姉妹ってへんなもんね。ねたみ、そねみも、すごく強いの。そのくせ、姉妹が不幸になると、やっぱりたまんない…」。関わりたくないモメ事の連続こそが、家族なのかもな。こんな風に首を突っ込み合う家族は、今、どれほど残っているだろう。2018/03/03
じいじ
94
「女」が三人寄ると「姦(かしましい」と言いますが…。こちらの主人公は四人の姉妹です。世相をとらえた今作は、めちゃくちゃに面白く楽しく読み終えました。同じ両親のもとに生まれた四姉妹だが、血筋は同じだから風貌は似てても、気性も性格も違います。両親・姉妹が本音でぶつかり合う愛憎がキメ細かく描かれています。随所に向田ユーモアが散りばめてあって、読み手を和ませてくれます。娘三人が、或るお宅へ殴り込みをかけることに…。気合を入れるつもりで、「下着を新しくしてきた」には思わず笑いが…。向田さんらしい傑作の逸品です。2022/01/11
おたま
87
向田邦子のドラマ脚本を小説化したもの。綱子、巻子、滝子、咲子の四姉妹を中心に、父・恒太郎やそれぞれの恋人、夫、愛人を巻き込んで、それぞれの愛憎劇が展開していく。心の中に住む阿修羅(人間の業であり、性(さが)でもある)が、日常生活の中で起こるいくつもの出来事を通して描かれていく。一人ひとりの普通の暮らしの中に、潜り込んで、そこに潜んでいるものを凝視する。あなたにも、私にもあるだろう心の中の阿修羅を描かれているようで、怖くもあり、愛しくもあり、哀しくもある。2025/02/28
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