出版社内容情報
水曜日、妻は夫を殺す計画をたてた。ところが火曜日すでに、夫は妻を殺すことに決めていた。設定のばつぐんに面白い本格ミステリー
内容説明
シルヴィアが夫を殺そうと決心したのは、ある水曜日のことだった。ところで彼女は知らなかったが、夫のエドガーは火曜日、すでに妻を殺す決意を固めていたのだった。イギリスの田舎町からさらに林に分け入ったところに建つ樅の木荘。その売却問題から夫と妻の永遠のテーマが燃えあがった。プロットの妙と洒落た味の傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
本木英朗
22
英国の現代本格ミステリ作家のひとりである、ジェームズ・アンダースンの長編のひとつである。シルヴィアが夫を殺そうと決心したのは、ある水曜日のことだった。ところで彼女は知らなかったが、夫のエドガーは火曜日、既に妻を殺す決意を固めていたのだった――という話から始まる。今までに5回以上読んでいたが、まったく覚えていなかったので、本当に超凄かったです、はい。さすがは作者である。またいつか読もうと思う。2022/10/18
本木英朗
19
ことのきっかけは、ガスコイン夫妻が暮らす「楡の木荘」の隣家、「樫の木荘」の所有者でシルヴィアの従兄弟であるチャールズ・インシュケイブが「樫の木荘」を売却しようと考えたことでした。隣家が他人の手に渡れば、シルヴィアが愛する穏やかで平穏な「楡の木荘」の暮らしは破壊されることになるのです。当然ながら彼女は夫に、「樫の木荘」を他人より早く買い取ることを促します。
けいちゃっぷ
5
仲睦まじく思える夫婦だが、それぞれ相手を殺そうと決意する。 しかも、相手は自分のことをまだ愛しているだろうと思っているから始末におえない。 さっそくお互いが練る殺人計画。 自分が捕まったら元も子もないから、そこも考慮するのだが当然ながら失敗の連続。 さて、どうなるんでしょうね。 ラストにヒネリが欲しかったところ。 377ページ 2012/09/16
Jimmy
3
「血染めのエッグ、、、」のジェームズ・アンダースンの作品をネットでさらっていたら引っかかってきました。夫婦がお互いにひそかに憎みあって殺してしまおうとジタバタする、というまるでアントニー・バークリーかパット・マガーか、というひねくれぶり。そこはアンダースンなのでシニカルな喜劇性がにじみ出てはくるのですが、お互いいろんな意味でひどすぎてちょっとページは進まない。でもオチは見事!2019/11/07
schizophonic
2
積もり積もった憎しみを爆発させた夫婦が、お互いを亡きものにしようとあの手この手。とんだ「賢者の贈り物」。お高くとまってるとこといい、腹黒いところといい、つまるところお似合いの夫婦でした。2008/12/04
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