出版社内容情報
「世界で最も安全」な超高級マンションを、いわば"人質"にして前代未聞の要求をつきつけた青年は、難問の金の受取り方についても、全く新しいアイデアを編み出した
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
168
犯罪小説の傑作!80年代の作品。ベトナム戦争帰りの可哀そうな境遇だが天才的に頭の良い主人公。自殺しようとした女性を助けるような世話焼きの性格とちょっとでも自分の正体に気づく恐れがあるというだけであっさり殺す冷酷さを持つ。ビルを人質に大金をせしめようと目論む。知能犯と警察の頭脳戦がスリル満点。庶民は戦争疲れで辟易してさぁ立ち直ろうとする時代のアメリカ。そんななか金持ち階級が住む摩天楼が、可哀そうな帰還兵にきりきり舞いさせられるのはさぞや痛快に受け止められたろう。2021/11/02
Panzer Leader
55
「シャドー81」に並ぶジャック物冒険小説の傑作との下馬評を耳にして手に取ってみた。あちらは旅客機だがこちらは超高層マンション/ホテルを爆破するとの脅しで身代金を要求する。世話好きだけれど一方で冷酷非情なベトナム帰りの犯人の用意周到な作戦には思わず唸ってしまう。身代金の受け渡し方法が秀逸ではあるけど、それが分かった時点で捜査陣は先回りできたんじゃないかと思えたが唯一の残念な点。2022/02/24
goro@一箱古本市5/5
49
ニューヨークの摩天楼に爆弾を仕掛け脅迫するヴェトナム帰還兵。主人公は用意周到で何をしているのか考えさせるが、それが最後にまとまって行く鮮やかな金銭授受方法!誰のお金でもないお金。そのために選ばれたと思われる超高層ビル。すべて綺麗に(人を殺さずに)は行かなかったのは残念だけど良く練られた物語でしたわ。2017/11/13
ち~
28
ベトナム帰還兵の大学生、トニオが弟を助ける為に必要な400万ドルを得るため計画したニューヨークの超高級マンション爆破計画。2年にわたる緻密な計画はオーナーや支配人、警察たちにジワジワと焦りと恐怖、絶望の種を植え付ける。そして最大の難関、身代金の受け渡し方法が、考える方と実行する方、両者ともに斬新極まりなかった!最後の最後、ついに捕まってしまうのか!?とヒヤヒヤさせられるが、幾重にも張られた安全策で躱していく用意周到さ。何度もシビれされてくれた。2022/03/21
よっぴ
13
クライム小説、100冊の徹夜本。。時と場所は、ベトナム戦争後のニューヨーク。高層ホテルを相手に爆弾を仕掛けて身代金を要求する犯罪小説です。主人公はベトナム帰りのトニオ、対するホテルの支配人と刑事たち、仕掛ける側と仕掛けられる側の双方が書かれている事で両者の緊迫が伝わってきます。犯罪小説に必要な金と女と暴力も書かれていますが、トニオの仕掛けていく手口と華麗な身代金の入手方法が最大の見せ場です。。正直、読み始めはなかなかページが進まなかったが中盤以降、終盤に向かうにつれてページをめくるスピード上がりました。2015/10/23
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