出版社内容情報
死にゆく者は自分の人生の意味を見つけ、未解決のものを解決し、不和を和解に、より豊かな愛の結びつきにすることを望んでいる
内容説明
死にゆく者たちは、死の迫っていることを知っている。残された日日に、自分の人生を振り返り、自分の人生の意味を見つけ、あるいは未解決のものを解決し、不和を和解に、より豊かな愛の結びつきにすることを望んでいる。そして死者を愛する人たちの心の中では、死んでいった人たちが、今までよりも強い命の絆で生き始める。
目次
生命との出会い
故郷の母
「わが名をよびてたまはれ」
最後のプレゼント
まんどろお月さま
光に逆転するとき
魔女の魔法
幸福のいる場所
海辺の少年
心の闇〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
寛生
58
【図書館】若松英輔の「死者との対話」を読んでいなければ、恐らくこういう本にはあまり興味を持たなかったのではないかと思う。又、「死者との対話」はもとより、若松先生の書かれたものと並行して読むといいと思う。呼び合うものがある。沢山の書物から今年は特にこちらが意図としている訳ではないのにもかかわらず、「死」について考えさせられる。大原紫苑さんが手料理をつくること、共に食事をすることによって、傷ついた方々が癒されていく記述が特に印象に残る。改めて、人間には何よりも共に食事をすることが必要なのだと感じる。2014/05/23
ころりんぱ
54
今まさに死に対面している人々の元にかけつけ、振り絞った最期の言葉に耳を傾ける著者。地位や年齢も違う方々の死に寄り添ったいくつもの体験談は、慈愛に満ちていて、著者の優しさや眼差しを身近に感じる事ができました。思い残す事って、物理的にやり遂げられなかった事や、得られなかったものを悔やむ気持ちではないんだな。人がありのままの自分自身を受け入れられるか、人生に納得ができるかが、自分にも残された人にも大切なんだなと思った。何ができたかじゃなく、何を思えたか。自分の時も穏やかに死にたいなと思った。2014/04/19
あこ
27
4.0B スピリチュアルペインと言ったら良いのか。これまでの人生の中で抱えてきた苦しみや、気になったまま、そのままになっていた出来事を抱えている人達。誰かにじっくり話を聞いてもらい、受け止めてもらい、自分を知ってもらうことで、死が間近にありながらも気づきを得て変化成長していく。人って素晴らしいなとあらためて実感。しかしながら、やはり一人ではなかなかなし得ない。本書に掲載された方々は聞き手である紫苑先生や著者と縁あって時間を共にしたことでスピリチュアルペインが緩和または昇華されていた。(積読本4冊目) 2022/04/25
coco
25
多くの方の死の間際に立ち会ってきた著者の体験談。病や死と聞くと、悲しみや辛さなどマイナスのイメージが真っ先に思い浮かぶけど、この本に出てくる方々は、歩んできた人生は様々だがみなさん穏やかで温かい最期を迎える。重いけれども、優しさに満ちた一冊でした。2014/04/09
Tadashi Tanohata
17
人に優しく、生き急がないようゆっくり歩きゆっくり話ことを心掛けながらも、この本を読む車中の赤ちゃんの泣声が気になって仕方がない。まったくもって読む資格がない。北海道の町の本屋さんで、10年間で3000冊売れた感動のロングセラー。帯より紹介するしか、資格がない。2016/01/29