出版社内容情報
愛も憎しみも神さまも全ては遺伝子による陰謀なのだ。生物学的アプローチから人間行動の謎に迫る衝撃の書。新たに「美人論」を付す
内容説明
嫁と姑はなぜ憎み合わねばならないのか?魅力的で性格もいい男がどうして浮気だけはおさまらないのか?そもそも賢いはずの人間がときとしてアホなことをしでかすのはなぜなのか?この深遠なる人間行動の謎に「利己的遺伝子」という考え方から迫る“天才”竹内久美子の最高傑作。新たに「美人論」を付す。
目次
第1章 すべては遺伝子から始まった
第2章 我々は乗り物である
第3章 利己的遺伝子の陰謀を暴く
第4章 利己的遺伝子のさらなる陰謀
美人論―文庫版「そんなバカな!」おまけ
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
匠
103
人間は遺伝子を運ぶ器に過ぎないとか、遺伝子が行動を支配するというミツバチやアリ、ニホンザルについての話は興味深く読んだ。しかし話が女性の妊娠、出生率は下がらないなどの言及や、子どもは喘息で死ぬことはないとか親への脅迫だとか、嫁姑戦争や男の分類学については狭い視野で断定し切っていて反感しか持てなかった。いつの話だよ!と思ったら23年前の刊行でまぁ無理もないかとも思ったのだけど、むしろこんなことを書く35歳当時の彼女が哀れに感じた。ドーキンスの『利己的な遺伝子』に何もかも無理やりこじつけていて乱暴過ぎる。2014/03/05
佐々陽太朗(K.Tsubota)
53
人間たるもの所詮は利己的遺伝子<セルフィッシュジーン>と利己的ミーム(両方併せて利己的自己複製子<セルフィッシュリプリケーター>)の乗り物<ヴィークル>なのであって、どうあがこうともその事実からは逃れられない。これが本書に一貫して流れる考え方である。我々が何らかの行動(それが他から賞賛されようと、軽蔑されようと、生き延びようとする行動であろうが、破滅の行動であろうが)をとろうとするとき、すべては遺伝子によってプログラムされたものなのだと。それを理解した今、私の世界を見る目は全く変わってしまった。2013/06/01
金吾
26
○遺伝子的に物事を考えると今まで感じていた常識とかなり異なる話になる例が満載されていて面白かったです。ホールデンの話は画期的だと感じました。2024/02/26
とんかつラバー
16
「人間(全ての生命)は遺伝子の入れ物である」という考えに基づく利己的な遺伝子論。全ての生物は(ウイルスだって)より多くの自分のコピーを残すために遺伝子合戦を繰り返している。愛や絆なんかマヤカシで、自分が有利になるように遺伝子に操作されているだけ。最後のほうは神というのもミームで人間はそれに動かされているとSFめいた話になってる。こういう考えもあるんだなーって感じだけど「美人のほうが優性なのになぜブスは淘汰されないのか」など、俗衆の心を掴む書き方がうまい人ですね。2023/05/09
りー
15
ドーキンス『利己的な遺伝子』を基にした面白学術書。我々の自由意思から神の存在まで、人の行動を促す因子は全て、遺伝子が人間を操るために作り出した疑似餌に過ぎぬといった話を軽妙な文章で著している。ちなみに僕、学生時代はその神にも等しい遺伝子様をもりもりと組み換えていたわけである。そんな風に神をもその手で玩弄する超越者たらん僕は、今一度『完全教祖マニュアル』などを読み返し、愚民のため神にかわる存在にならねばならぬ!と心の声の命ずるまま、決意を新たにしたのである。無論、心の声というやつも遺伝子の意思に他ならない。2013/05/24
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