出版社内容情報
海の見える老人ホームを夢見る妻と、自分の家に固執する夫を描く表題作を含め、さまざまな男と女が紡ぎだす愛と裏切りの十の短篇
内容説明
海の見える老人ホームを夢見る妻と、自分の家に固執する夫を描く表題作の他、突然失踪した夫を探して盛岡に行きつく「風の家」、十八年間の秘密を男の妻が覆す「新緑の門出」、息子をなくした老夫婦が孫を訪ねる「麦藁帽子」など、さまざまな男女の愛と裏切りが平穏な日常を万華鏡のように変えていく十の短篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やどかり
13
高齢になった夫婦の余生への考え方のすれ違い、恋愛の落とし穴的な話もあり、暗い内容の短編が続くがどれも飽きさせない展開だった。それにしても、男と女ってわかり合うのは至難の業なのかしら、それとも広くて深ーい川に隔たれているのだろうかと考えてしまった。2013/10/27
けい子
12
短編集。いろいろな夫婦のお話なのですが、どれもこれも気分的にちょっとしんどくなりました。この作者の方、子どもに対して、私とは違う悩みや考え方をされているのだろう。2018/03/07
デージー
1
夫婦間の機微を描いた短編集。何かを思い込んでしまうことにも罪はあるのかも。2010/10/01
藍兒堂
0
★★★
Kaedina
0
90年代前半に書かれた短編集。「婚約者」のなかで結婚式の数合わせ、保護者の代わりに娘の遠足の付き添いをする、交通事故加害者の代わりに毎日お見舞いに行くなどの人材派遣の仕事がこの頃から既にあったんだ、ふーんと思った。その他は淡々と読み進めた。2012/05/18