内容説明
2014年、中国。新聞社の北京特派員・田波は、重慶の暴動を知り現地に赴く。それは策謀渦巻く中国の深い闇への入り口だった―。北京五輪から6年、役人の腐敗や農村の困窮に対する人民の不満が、やがて大きな奔流となって天安門になだれ込む!綿密な取材に基づいて描かれた、これぞ近未来小説の決定版。
著者等紹介
水木楊[ミズキヨウ]
1937年、中国・上海生まれ。自由学園最高学部卒業後、日本経済新聞社入社。ロンドン特派員、ワシントン支局長、外報部長、論説主幹などを経て作家活動に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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GaGa
35
上海出身で長らく新聞記者をしていた作者らしく、中国共産党の実情などは、どこからどこまでが真実でどこからどこまでが創作なのか判らないぐらいによく書けている。ただ、やはり、ことがここまで大きいとCIAやKGBなどがもっと絡むだろうし、南北の朝鮮の動向や、日本政府の動きなど、エンターテイメントとしては重要なことを置き去りにしすぎている点が惜しい。2011/11/19
たす
9
中国近未来小説。中国通の作者が、中国独特の空気、登場人物それぞれの思い、繋がり、裏切り…を壮大なシナリオで描いている。但し、現在の中国の体制を見ていると、果たしてこれが「近未来」小説と言えるかは疑問である。フィクションとして読む他ないのでは…2022/01/16
波切
3
共産党の独裁終焉。天安門事件の再発へ。実際に起こりうる現実感もあり、中国という国の内情が少し分かる。次は毛沢東を読もう。2016/09/26
p.ntsk
3
天安門事件で止まっていた時計が再び動き出す。舞台は天安門事件から25年後。民主化をもとめて反政府組織を中心に暴動が。近未来の中国を舞台にしたシュミレーション小説(作品で描かれている時間と現在がほぼリアルタイム)。作品は当然フィクションですが一部実名もありまた実在の人物と分かる役名も登場。習近平体制下でこれだけドラスティックな変化はないかもしれませんが。人民解放軍も一枚岩ではないし舵取りを誤れば一部で離反がおこり内部分裂も生じかねない。軍を権力基盤にしている政権にとってはあってはならないこと。(続く)2013/02/08
ジョルジョ
1
巨大な国だけに、現実的にも様々な問題を抱えていると想像させる。2013/04/17