出版社内容情報
中国最古の王朝・夏を滅した湯王の補弼、伊尹の波瀾にとんだ生涯。中国古代という未踏の世界を初めて描きだした記念碑的作品である
内容説明
商の湯王を輔け、夏王朝から商王朝への革命を成功にみちびいた稀代の名宰相伊尹の生涯と、古代中国の歴史の流れを生き生きと描いた長篇小説。桑の木のおかげで水死をまぬがれた〈奇蹟の孤児〉伊尹は、有〓氏の料理人となり、不思議な能力を発揮、夏王桀の挙兵で危殆に瀕した有〓氏を救うため乾坤一擲の奇策を講じる。新田次郎文学賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ふじさん
96
商の湯王を輔け、夏王朝から商王朝への革命を成功に導いた稀代の名宰相伊尹の生涯を生き生きと描いた長編。桑の木のおかげで水死を免れた奇跡の孤児伊尹は、有莘の料理人となり、夏王桀の挙兵により危機に瀕した有莘氏を救うために、有莘氏の娘を夏王桀に差し出すという乾坤一擲の奇策を講じる。その後は、在野で誰にも仕官することなく過ごすが、夏王室から放遂された王妃・妹嬉との再会で、伊尹の運命が大きく動くことになる。古代・殷の時代を舞台にした歴史ロマン、日本史にはない面白さがあり、病みつきになる。最初に読んだ時の思いが蘇る。 2022/10/02
姉勤
36
古代チャイナの夏王朝から商(殷)王朝への変革な時代が舞台。洪水で流れ着いた、太陽の象徴とされた扶桑の樹の空から見つかった赤ん坊が「摯」と名付けられ、長じて次代の国政を担うであろうと思われるが、青年時代の上巻は雌伏の刻。酒池肉林の成語の語源となった「桀王」と彼を狂わしたとさせる傾国の美女「妺嬉」、変革の王「湯王」に関わる。紀元前10世紀以前とされる伝説に近い史記は記述乏しく、物語に近いため、構成が難しい反面、著者の描きやすい部分が多いと思われるが、その当時であればそうだろうという説得力はある。2026/05/04
James Hayashi
35
新田次郎文学賞受賞作。中国最古の王朝である夏から商への変遷の時、主人公の伊尹の活躍が観れるという。高校の世界史で夏王朝の伝説は習ったが歴史的に証明されていないという。中国の古書を元に歴史に迫る小説。下巻へ。2018/03/03
Tomoichi
28
夏王朝から商王朝への転換期、商の湯王を支えた名宰相伊尹の生涯を描く。正直この時代の資料は少ないはずであるが、それを感じさせないのは著者の力だろう。早く下巻が読みたい!2016/01/12
inami
25
★3.5 歴史小説といえば、自分の中では司馬遼太郎と宮城谷昌光ということになる。特に中国の歴史小説となると、宮城谷さんに軍配が上がる。「三国志」の作品でも、それぞれ違った面白さがあり、なんとも味わい深い。さて本書は、中国最古の王朝が興る頃、まだ文字もなかったような古代の物語。主人公は桑の木のおかげで死をまぬがれ、名族の一つである有莘氏の料理人となる。そこで徐々に己の才能を開花させ、やがて歴史の表舞台へと歩み始める。久しぶりの宮城谷作品。さて、下巻ではどうなるのか、楽しみである。2026/08/25
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