内容説明
時がうつろい、街は変わり、ひとは変わり、時代が変わる。かつて戦争と平和に揺れた激動の昭和もしだいに遠ざかってゆく。昭和を知らない若い人々が増える一方で、昭和30年代初めの“あの頃”が懐かしく語られる。昭和とはいったいどんな時代だったのか。なぜ“昭和の風景”がわれわれをひきつけてやまないのか。
目次
ミュージカル映画・ベスト10
ケヴィン・スペインシーに脱帽
「ええじゃないか」で明けた年
笑わせて泣かせる秀作「パッチギ!」
NHKがいらない理由
編集者としての江戸川乱歩
“希望がもてない雰囲気”
ホクロ
笹川美和のオールナイトニッポン
東京大空襲のイメージ〔ほか〕
著者等紹介
小林信彦[コバヤシノブヒコ]
昭和7(1932)年、東京生れ。早稲田大学文学部英文科卒業。翻訳雑誌編集長から作家になる。昭和48(1973)年、「日本の喜劇人」で芸術選奨新人賞受賞。平成18(2006)年、「うらなり」で第54回菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
96
これに収められている年代は大体2005年頃の話です。週刊文春連載のものをまとめたもので、当時の世情がよくわかります。芸能やマスコミがらみの話が多く、最初にミュージカル映画のベスト10があるのは楽しめました。シカゴが入っています。ケビン・スペイシーがボビー・ダーリンの伝記映画を自作自演で製作したことなど、パッチギやミリオン・ダラー・ベイビーもほめていたり楽しめました。 2017/09/22
優希
39
激動の昭和も遠ざかっていく中、何気なく昭和を語っていますが、どちらかというと昭和を懐かしむような印象は受けませんでした。どちらかというと小泉政権への危機感の方が感じられます。政治的な色が強いように思えてなりません。何気なく頑固な面を見せたり、映画や好きなアイドルの話題にも触れているので、いつまでも好きなモノは好きと言える人でいて欲しいですね。2014/10/06
KAZ
2
ご本人は気を使っているとおっしゃいますが、いつまでも好きなものを好き、嫌いなものは嫌いと言ってもらいたい。2010/08/22
ぱーぷる・ばんぶー
2
「週刊文春」連載のエッセイの2005年分。小泉政権への危機感でいっぱい。「パッチギ!」のクライマックスの盛り上がりが映画らしくていいと褒めてらっしゃるのがうれしいです。2009/06/03
eleking
2
老いてますます頑固に。でもついつい読んでしまうんだよなあ。2009/05/15