出版社内容情報
ヒトラーもコクトーも、二十世紀の主役たちがレニを賞賛してやまなかった。ダンサー、俳優、映画監督……栄光と挫折に揺れる人生
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
itosan04
4
レニ・リーフェンシュタールの回想で戦後編。彼女は戦後の方が自らの人生と運命に激しく戦いを挑んでいる。彼女を単純にネオナチと同類視って西欧の戦後メディアは何か狂っている。そしてその狂った状況は戦後日本の取り巻く状況とも関連性があるように思える。本書の途中で日本に対する親しみが書いてあってそれもうれしかった。2016/09/25
印度 洋一郎
2
下巻は戦後編。戦前の栄光の時代から一転、ナチス協力者、ヒトラーの愛人(!)と糾弾される。逮捕、投獄、精神病院に収容、撮影したフィルムは没収、財産差し押さえ、離婚、執拗に続く糾弾と苦難の日々。元々エキセントリックな性格が度々錯乱するのもむべなるかなという状況だ。映画の企画を立てては潰され、行き着いたのは南スーダンのヌバ族の写真とダイビングで撮影する海中写真。この人について、毀誉褒貶はあると思うが、とにかくクリエイターとしての執念とバイタリティには感服だ。この本に対する検証本とも合わせて読みたい。2014/08/12
Lunta
1
戦後は名誉棄損や押収された財産の回復など裁判続き、誰かを信頼しては裏切られの連続で読むのがつらくなる。が、アフリカでの行動など見ると自分の興味のためには協力者には相当の無茶をさせていて、有力者と仲良くなっては無理を通している。結局レニは戦前から変わっていない。それぐらいでなければ人と違うものは作れないのかもしれないけれど。2023/01/29
千本通り
1
下巻はナチス協力者と決めつけられ、誹謗中傷からの復権の戦いの前半、アフリカへ魅せられてスーダンのヌバ族の撮影、そして水中撮影の後半に分かれている。映画に関しては上映、制作、ことごとく妨害が入り、新しい映画の完成、上映は亡くなる前年の100歳のときだった。2022/05/08
Cinejazz
1
アドルフ・ヒトラーとの運命の出会い、『西部戦線異状なし』執筆の頃のエ-リッヒ・マリア・レマルクとの出会い、ベルリン・オリンピック記録映画『オリンピア』に纏わる数多のエピソ-ド、戦犯として20年の禁固刑に服したアルベルト・シュペ-アとの親交、晩年の写真家として活躍ぶりなど、稀有な体験談は枚挙に暇がない。絶頂の時代は儚く砕け散り、精神を病むほどの悪夢に悩まされ続けたレニ・リ-フェンシュタ-ルは、2003年9月に101歳の生涯を閉じている。2018/11/02