文春文庫
局地戦闘機「雷電」 - 異貌の海鷲

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  • サイズ 文庫判/ページ数 367p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167249137
  • NDC分類 397.8
  • Cコード C0195

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スー

19
高空を飛ぶ爆撃機に手を焼いた海軍は三菱に速度と上昇力と火力の高い戦闘機の生産を命じ、三菱の技術者達は当初は零戦より簡単だと思っていたがこれが大きな間違いでした。性能を満たすエンジンが無く爆撃機用のエンジンを搭載したが、今度は振動、視界不良、プロペラ、油圧の低下によるエンジンの焼きつきなど日本の技術不足からくるトラブルに悩まされ、零戦に慣れた熟練パイロット達からは嫌われてしまい、更に実用化が遅れている間に紫電そして紫電改が登場して生産数が伸びず局地戦闘機「雷電」は悲運に泣いた機体でした。2018/05/20

ひらけん

12
冒頭に書いてある、零戦は万人に愛された万能機ならば、雷電はプロが愛した戦闘機って文に心惹かれた。乙戦やら甲戦やら専門用語ばかりで読むのに苦労したけどな。まあ、設計、試作から苦労の連続で、完成してからも油圧にエンジンに不調が相次ぎ、その上、癖がある雷電を嫌う人ばかりで不遇の戦闘機やったんやなって可哀想に見えた。ただ、零戦にはない抜群の上昇力と強力な武装で戦い抜いた、逆境の中で燃え尽きたプロが愛した戦闘機って書く話に、戦争の道具にこの言葉は適切では無いかもしれないが、稲妻マークの機体がめっちゃかっこ良かったよ2018/02/25

印度 洋一郎

7
総生産機数500機に満たない、日本軍の戦闘機としては少数派に属する雷電の誕生から敗戦までの軌跡を丹念に辿った一冊。日本軍の航空隊に関する著作では定評のある著者なので、大変勉強になる内容だ。ダッシュ力を重視する防空戦闘機を作るために、無理に大きなエンジンを採用し、そのために実用化に際して様々な問題を生み、関係者の苦闘を生むのだが、記述の中でもその比重が多いので戦記というよりも、日本のモノ作りの記録して読む事が出来る。機数が少ないので、配備された部隊も少なく、コンパクトにその戦いをイメージ出来たのは意外だ。 2012/10/10

Machida Hiroshi

5
本書は、当時の日本の技術力・工業力不足、資源不足、人材不足の中、堀越二郎を筆頭とする三菱重工の技術陣が、発注主である海軍の無理筋な要求や仕様変更や様々なトラブルと戦いながら、心血を注いで雷電を開発する様子と、その高性能に惚れ込んでクセをものともせず雷電と共に大空で戦った男たちの様子を、熟練の筆致で史実に基づいて書き上げた雷電にまつわる戦史です。本書を読んで、生い立ちの悲哀や短かったけど大きな戦果を挙げた活躍を知って、ゼロ戦という余りに良く出来たそつのない子のせいで日陰者の道を歩んだ雷電に親愛を感じました。2017/04/07

maddroid02

2
完成した頃にはもはや手遅れの雷電。対爆撃機用の迎撃戦闘機として開発されながら、B-29相手には陳腐化、対戦闘機戦にかり出され、零戦と比較され、犠牲に見合った成果が得られたのかはなはだ疑問が残る。それにしても軍の勝ちパターンへの頑迷さはもはや科学ではないな。死ぬなら納得して死にたいという感じ。2014/08/02

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