出版社内容情報
団地の三畳でピアノを弾く者と、その音に耐えきれなくなって殺人に走った者と、狂気はいずれの側にあるのか? 過密社会における「音」の問題を鋭く追求した衝撃作
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
レオン
2
この作品は、ピアノの騒音問題が殺人事件にまで、発展した事件です。 この本を読み終わるともし、被害者が常識の範囲内で、ピアノを弾いていたら。もし、被害者が騒音設備を整えて、ピアノを弾いていたら。 もし、犯人が殺人ではなく、別の手段で騒音へ対処をしていたら。 こう考えずには、いられません。被害にあった子供2人と女性、 そして残された夫の事を考えると上手く言えないが、とても悲しい気持ちになります。 しかし、この本を読んでいて、犯人についても誰もが同情をしてしまう部分が多少なりとも有りました。2010/06/12
さっと
1
平和な家庭の象徴であったはずの「ピアノ」が引き起こした凄惨な事件。母子3人の命を奪った動機は、無秩序に弾かれるピアノの音。掃除、洗濯、テレビの音にかき消されて気にもしない団地の主婦たちとは異なる生活を送り、過去の経験から「音」と「対人」に神経過敏になっていた男の耳には、それは公害以外のなにものでもなかった。およそ40年前の事件ではあるものの、死刑判決がくだっている犯人に対して刑の執行はなされておらず、なんというか、「過去のものではない」妙にざわざわした気持ちになった。2014/05/21
こひた
0
拘置所の騒音もきついから逆に死刑をもとめる、しかし執行は何十年も停止される…オチがサドい勧善懲悪ものみたいで救えない。2014/08/28
ゴリゾウ
0
昭和49年 8月、神奈川県のある団地で起きた、ピアノの音を動機とする殺人事件の全貌を描き、「生活騒音」の問題を追求。/著者は、元・朝日新聞・社会部記者で衝撃のノンフィクションレポートです。#1671989/03/01
石橋
0
当時の風俗と、パラノイア的発展の経過が知れて良い。2019/09/18