出版社内容情報
日本の新聞に特徴的な「客観報道主義」がいかに真実をゆがめ大きな弊害を生んでいるかを一流銀行支店長による"子殺し"など実際の新聞記事をもとに鋭く追及した異色の新聞論! 解説・柳田邦夫
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろ☆
22
新聞で報道されたからといって、それが事実とは限らない。本気で真実を書こうとする記者も減っている気がする。2016/01/12
hatayan
17
権威ある警察や官公庁の情報をもとにする限り、仮に情報が誤っていて人の人生に影響を与えたとしても、新聞社が責任を問われることはないそうです。その状況を過保護であるとして、いつか都合よく情報を操作されて誤った情報を知らせてしまう恐れすらあるのではないかと危惧。記者自ら汗をかいて情報の裏を取る努力をせねばならないのではないかと、新聞記者だった立場から提言します。 刊行は40年以上前の1977年。時の政権の発信する情報が果たして正しいのかを問われる今にあって、読み返すにたり得る一冊であるかと思います。2018/11/24
澄
14
昭和40〜50年頃の新聞報道。警察公表の内容を鵜呑みに正否を確認せずに新聞記事にする。客観性というが、、、、この状況はいまも変わらず。新聞は情報の一つと参考として信頼しすぎるべきではない、と実感出来る内容。2015/01/14
さっと
7
タイトルから想像するに、メディアスクラムの話かと思っていましたが、新聞報道の姿勢に関するルポでした。実際の報道内容をテキストに、警察によれば~で始まる主催者発表にもとづく客観報道主義の限界、弊害について考えます。ここでとりあげられているような例が全部ではないにしても、紙面での表現と、真実の間にある隔たりは、まぁ、読者もつねに意識しないといけないってことですね。といっても、ネット、テレビの情報氾濫で、信憑性の第一ってどうしても新聞になる気はしますが。2015/11/21
Shori
3
約30年前の本だが、本質的な課題提起。本書では学ぶべき対象となっている米紙の読者は急減し、トランプ大統領当選を読みきれなかった。(世界中だが。)この点にも、何をどう報道すべきか、の困難さが垣間見える。2017/02/04