出版社内容情報
日米開戦近し! 国家の存亡を賭け、外国機をはるかに凌駕する性能の新鋭戦闘機開発に没頭した若き技術者たちの苦心の足跡を描いた長篇ノンフィクションの傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
75
非常に面白かったです。零戦というと「太平洋戦争」「特攻隊」が思い浮かぶけど、あの本を読んで零戦(三菱零式艦上戦闘機)に興味を持った人は読んでみると良いかも。設計主務者堀越二郎氏と零戦がいかに作られたかのドキュメント。戦争からは少し離れて、技術後進国日本の中で、試作機の墜落事故という壁を何度も乗り越えて、「零戦」という世界に傑出した「工業製品」が創られるまでのドラマです。そういえば、あのジブリの映画も彼をモデルにした話だそうですね。宮崎氏がどのように描いているかも興味深いです。★★★★★2013/07/03
おか
35
その時代の粋を集めて造られた「零戦」。戦争という愚行の中にあって どう粋を集めたのか その物造りの過程が知りたくて読了。というのも日本における昨今の物造りに疑問を持ったから、、、あの豊洲市場の件で。零戦でも 他社との競争もあり、利潤追求もあり、他者からの押し付けもあり 環境としては今とそれ程変わりはない。しかも当時は技術も物資も今よりはるかに不足している。しかし その中で堀越以下三菱の社員が 其々の能力を出し切って 良い物を より良い物を造ろうと突き進んで行っている。そして その飛行機に乗る身に➡️続2016/11/20
Eiichi
33
堀越二郎が零戦を完成させるまでのドキュメンタリー、永遠の0や風立ちぬ、の関係で読んでみた。内容は凄く堅いが、興味深い話がたくさんあった。日本の技術者の凄さが良くわかる。2013/10/19
KEI
31
日中戦争後期から日米開戦まで世界に類がない活躍をした零戦の開発はどの様にされたのか、堀越二郎氏はじめチームスタッフの聞き取り取材や膨大な資料を元に書かれたノンフィクション。77年発刊なので、古い本ではあるが当時の技術者達の意欲、悩み、努力が生き生きと伝わる。資源不足、軍部の不可能を可能にせよと言うような指示。この様な状況の中で、零戦が生み出された事を知ることが出来た。戦争は技術革新の大きな要因だと思うが、その要因が無くても技術者は新しい事に挑み続けて行くのだろう。秀作。2015/11/22
り こ む ん
27
吉村さんの史実物語にたいして、技術者の証言と資料を積み重ねたノンフィクション。技術とは?物を産み出すまでの苦悩と努力が、詰まった作品。以前、プロヒィールに(初期の)戦争に対しての疑問を書いていて、それにたいして、ご意見をいただいた事があったけれど、戦争あるから、技術の向上や後の日常に活用されているモノがあり、今、貴方が便利に活用しているモノは戦争のお陰なのです。と、言われた事があった。私が知りたいく疑問に思っているのは、正直、まったく違うのだけど…2014/08/05
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