出版社内容情報
夢中で取材をするほどに仕事が苦しくなってくる。それでも私はこの「苦い蜜」を集めずにはいられない。還暦で省みるわが人生と仕事
内容説明
夢中で取材をするほどに仕事は苦しくなってくる。それでも私はこの「苦い蜜」を集めずにはいられない―。若き日の小林秀雄との出会いと三十年後にゴッホの麦畠の絵を目にするまでを描いた「わが還暦・ゴッホへの旅」の他、全著作の「あとがき」を収録。読者へのメッセージを通して明らかになる、作家・沢地久枝の仕事の全貌。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あきこ
2
「まず命ありき」その思いが澤地さんの執筆活動を支え、その作品のあとがきをあつめたものが本書である。時代の流れのなかで、無慈悲に失われていった名もなき人の人生に光を当てる、その作品である。そのかけがいのない命たちは、知ってしまうと悲しみが募る、その重みを抱えながらの作家生活であったのだ。巻頭はあとがきではなく、ゴッホの絵を巡るオランダへの旅の話であるが、ゴッホの孤独だった人生とのちの名声との距離感がやはり心を揺さぶられる。麦の絵を私も見てみたい。2020/01/31
けいちか
0
「わが還暦・ゴッホへの旅」と全著作の「あとがき」を収めたもの。あとがきだけ読んでも、作品を読んでいないと、今ひとつ良く分からなかったので、作品もおいおい読んで行きたいと思う。本文あってのあとがきだものね。あとがきが自分の体調バロメーターのようになっているのが凄いかも。2008/12/11