出版社内容情報
東郷青児の何人かの"妻"たち、岡田嘉子と樺太国境を越えてロシアに亡命した杉本良吉の妻・杉山智恵子など、昭和史の影を生きた女たちの愛憎。「文春読者賞」受賞
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NB
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セレクト古本屋さんで購入。昭和初期の明治憲法下の時代に新聞の三面記事を賑わした「おんな」とその生涯についてかなり深く取材をして書かれてる。「情死」とか「自決」とか今ではただならぬ雰囲気の単語表現が出てくるけれど、何かとんでもなく激情的な事件を起こす女性の側には、どうしようもなくダメな男がいるという図式は平成の世の今にも通ずるものある。36年も前の著書なので書かれた当初よりもっと“大昔”になったノンフィクション話だけれど、歴史の断片として埋もれず残ってほしいなと思う話ばかりだった。2015/09/15
Gen Kato
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再読。犯罪者やスキャンダルの当事者や、決して「昭和史」には名をとどめぬ女たちを語った逆説的おもしろさ。人間性はみな現代と変わらない。ただ、もっと生き辛かった時代…2015/05/03
massda
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チフス菌を塗布した饅頭を別居中の夫に送りつけた女医さんの話が面白かった。この程度の性格の不一致は珍しくなく、今だったら「そんなイカ京捨てちゃえば?」でおしまいの話なのに、こじれまくって死者まででる大騒ぎに………。2014/08/24
けいちか
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頭がノンフィクションに切り替わるまで、大変読みにくかった。昭和史とはいえ、どちらかというと、戦前・戦中に起こった事件に関係のある女性に関する話が多く、昭和は63年間あったけれど、そのうちの前半の話、という感じがした。けれども、こういう本を読んでみないと、全く知りえない話もあったので、そういう意味では大変興味深かった。2009/10/11
ほっそ
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感想は続編のほうへ。2010/02/15