文春文庫<br> 隠々洞ききがき抄―天和のお七火事

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文春文庫
隠々洞ききがき抄―天和のお七火事

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  • サイズ 文庫判/ページ数 312p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784167224172
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

八百屋お七が起した大火はある者の恋を奪い、ある者の人生を変えた。隠々洞覚乗が見聞した様々な運命の不思議さを描く短篇連作集

内容説明

八百屋お七が恋しい男に会いたい一心で引き起こした大火は、ある者の恋を奪い、ある者の人生を変えた。二人の女のどちらかを選んで助けなくてはならなかった男、あり金すべてで濡れござ一枚を買った老人。江戸の焼け跡で、修験者隠々洞覚乗が見聞したさまざまな運命の不思議さをえがく、出色の短篇連作集。

目次

ぎやまん蝋燭
緋色のかげろう
からみ童子
痩男
瓢箪と醜女
ござ一枚
犀の角
水に書く文字
うつくしき明日

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

k5

50
初夏の時代小説フェア⑦。そして八百屋お七シリーズ。これまで読んだお七ものと違い、彼女の恋にはまったくフォーカスされず、彼女の身勝手な行動で引き裂かれたり障害を負った庶民を描くという斬新なものなんですが、あまり自分には合わなかったかも。とくに主人公の隠々洞は山伏なんですが、いわゆる「プロ市民」にしか見えないですし、情動の流れがそんなに腑に落ちない一作でした。2022/06/19

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6
江戸時代に起きた天和の大火事。一言で語られる火事ではあるが、その裏には被災した庶民たちの因縁のドラマがある。作者は虚実取り混ぜた歴史上の人物を主人公にした連作短編集の形をとりながら庶民の苦渋の生きざまを掘り起こしている。彼等の醜いその行いでも作者の眼を通して見ると余りにも人間臭くて、憐憫の情を覚えたりもする。生きる時代が違うとは言え、同じ日本人としてもらい泣きさせられた。2019/08/14

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