文春文庫
歩調取れ、前へ!―フカダ少年の戦争と恋

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  • サイズ 文庫判/ページ数 374p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167219284
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

ドイツ兵とB29を撃墜し、東京大空襲の救護で昏倒し、淡い恋心に燃え……。絶望と夢、涙と笑いに満ちた少年時代。初の自伝的小説。

内容説明

昭和19年、戦争の只中に暁星中学一年生となったフカダ少年。軍事教練にネを上げ、長刀姿の女学生に恋心をもやし、箱根のドイツ兵と共にB29と戦い、空襲下の下町で昏倒し…。時代は多感な少年をさんざんもてあそぶ。そして敗戦と破産。切なくて懐かしくて、そして抱腹絶倒の少年時代を描く初の自伝的小説。

目次

玉砕教練(昭和十九年正月、赤倉観光ホテル;セントバーナードの流浪;「本土決戦型お手伝い」登場;教官は射撃の名手;実弾射撃と夕立;多事多難の夏)
東京大空襲(「ドイツ復員神父」;キスと発熱;B29馬乗り事件;燃えるアスファルト;石野少年、明治座に死す;再疎開そして敗戦)
焼け跡(汽車通学;ラビット・ボール;倒産;落魄;桜吹雪く一番町)

著者等紹介

深田祐介[フカダユウスケ]
昭和6(1931)年東京に生れる。暁星高校を経て、30年早稲田大学を卒業。33年に「あざやかなひとびと」で第7回文學界新人賞、51年に「新西洋事情」で第7回大宅壮一ノンフィクション賞、57年に「炎熱商人」で第87回直木賞をそれぞれ受賞。62年「新東洋事情」で第49回文藝春秋読者賞を受賞した。小説、評論、エッセイと幅広い作家活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

0717

9
戦争の只中に暁星中学一年になった著者の戦中、戦後の話。昭和19年正月に観光ホテルで三食本格的な洋食を食べ、スキーをしていたというから相当裕福な家庭で、一番町辺りに住んでいたそうだ。暗さなど微塵もなく、むしろ戦中の青春を謳歌している。箱根のドイツ兵の話は知らなかった。仮装巡洋艦の船員が船を失い故国に帰れず箱根に滞在していた。日本陸軍から高射砲を借り受け、富士山目掛けて飛来する米軍機を撃ち落とし、防空を担っていたんだって。そのドイツ兵との交流話も楽しい。2018/01/18

ひかり

6
物凄く裕福な家の育ちの作者が戦中、戦後の頃を生きたお話。なので、生活レベルが現代と大して変わらず、自分がイメージする戦時中の生活とはかけ離れてた。日本に来ていたドイツ兵が、アメリカのB29に対して、日本人と一緒に戦ってたのは、初めて知った!2021/10/03

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