内容説明
死の八日前「お先に逝かせていただきますよ」と話した元経団連会長の平岩外四さん、自ら点滴の管を引き抜いた作家の吉村昭さん、自殺者を助けて殉職した宮本邦彦警部、最期の入院でも看護師に大モテだった詩人の田村隆一さん、病床でもお洒落だった作詞家の安井かずみさん―去り際には、その人の生き方が凝縮されている。
目次
阿久悠―天才作詞家の「声の遺書」(葛西聖司)
正田英三郎―美智子さまの御見舞い(日野原重明)
平岩外四―「お先に逝かせて頂きます」(小林庄一郎)
城山三郎―幼児のような表情で(井上紀子)
長嶋亜希子―すべての苦痛から解放され(深澤弘)
黒澤明―巨匠は眠るように逝った(黒澤和子)
後藤田正晴―憲法改正を憂えて(後藤田尚吾)
淀川長治―最後の講演でサヨナラ(碓井広義)
宮本邦彦―自殺者を助けて殉職(溝口紀佐夫)
山口小夜子―トップモデルの急逝(近藤女公美)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
34
昭和を生きてきた様々な人の死について書かれていた。この本を読んでいて、「ああ、こんな方がいたなー、亡くなってからそんなに経つのかー」のように懐かしくなった。皆さん、存在感のあった人ばかり。死後もなお惜しまれている方々、確かに見事な死だと感じた。2015/05/06
金吾
26
死に対してどのように受けとめていくのを考えながら読みました。なかなか書かれている人のような心境にはなれないかなと感じました。2023/04/26
旗本多忙
24
人の死というものは非常につらいものなんだ。およそ50人程の著名人の死に際を家族や縁の深かった人が語っている。若くして突然に亡くなられた方、最期は家族が見守る中で逝く人、様々な死に方が人にはある。先に逝くか残るかどっちが良いかはわからないが、最期の一言が交わせたり、手をにぎることが出来たりすれば、日頃顔を合わさなかったとしても深い気持ちがわき、逝く人は幸せな気分だったろう。全てが無にかえったようだった。死に方ってあるんだ...とくに殉職した警官宮本邦彦さんなどを思うと、見事な死!活きた死だったろう。2023/11/16
メタボン
21
☆☆☆★ ここに紹介された有名人たちは、死に臨むに潔い方ばかりであり、人として敬意を表したい。自分の死がのがれられないものだと認識したとき、自分ならば、どんな覚悟が出来るのだろうか。妻を先に亡くした男は弱いものだし、きっと自分もその立場になったら毎日泣き暮らすのだろうなとも思う。その意味で城山三郎、古山高麗雄に共感を覚える。2018/09/09
焼畑農法
5
若いからか、世間知らずだからなのか分からないけども良く知らない人が多い。 故人が生前どんな人物であったかを知っていれば見事と思えるのかもしれないが、自分にとっては(大変失礼ではあるが)見事とは思えなかった。 もう少し歳をとれば違って見えるのだろうか。2014/07/16