出版社内容情報
『オール讀物』掉尾を飾る名コラム十七年分を一冊に凝集。開高健、永井龍男、丸谷才一、吉行淳之助など二十四人の作家による各篇三枚の小品ながらいずれも極上の味
内容説明
『オール読物』巻末を飾る名コラムの文庫版。連載開始の昭和44年7月号から昭和60年12月号までの17年間の全作品を発表順に収録。執筆者は、井上ひさし、井伏鱒二、開高健、永井龍男、丸谷才一、安岡章太郎、吉行淳之介氏など24人。いずれも小品ながら、極上の作品ばかり。エッセイの醍醐味を伝える198篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sasha
11
吉行淳之介、開高健、山口瞳等々。雑誌「オール讀物」の巻末コラム「おしまいのページで」を飾ったのは豪華執筆陣。いや~、作品を読んだことはなくても名前は知っている文筆家がてんこ盛り。文庫で見開き2ページの、本当に短い文章。なのに抜群に上手い。なんか「作家」って呼ぶのは失礼な気がして、「文士」と呼びたくなってしまう。昭和60年でも雑誌に旧仮名遣いの文章が掲載されていたんだね。そう考えると、昭和はもう遠くなった気にもなる。2018/12/21
きりぱい
3
目次だけで18ページ!獅子文六に始まり、丸谷才一、永井龍雄、吉行淳之介、井伏鱒二・・小沼丹や串田孫一もある。豪華に並ぶ24名。昭和44年からのオール読物のコラム17年分だそうで、198編にものぼる。『ユリシーズ』の翻訳がはかどらないから金もないとか、日常のとりとめもない話に執筆事情や文壇の交遊話がさらっと出たりして、文学まわりの好奇心も刺激される。吉行淳之介と丸谷才一が最高。「らくがき」「キク月水」「地球の一点」とかも好きだなあ。森亮の『庭と夜のうた』が気になるけれど、簡単には手に入らなさそう。2012/03/31
kawa
1
雑誌「オール読物」の巻末コラムの文庫版で、複数の作家が交代で執筆しているため、コラムの名手のオンパレードといった様相。井伏鱒二や山口瞳など自分の好みの作家の回はやはり面白いが、未読ながら好みの文章を書く作家に出会えたのも収穫で、その一人が中村光夫。本作品ではこの人だけが「です、ます」調で、校長先生が小学生向けに書いた文章のようでもあるが、妙に味わい深く心に残る。 年月順の掲載なので、例えば三島事件の直後に作家たちがどのように反応したかなどを追ってみるのも面白い。
さんぺい
0
私は丸谷才一さんの、学問の神様、菅原道真が試験を受けたときの成績について言及してる一文が好きです。2024/12/17
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