出版社内容情報
戦後の有名殺人事件をとりあげ、日本社会の暗部にメスを入れた、犯罪史であり、戦後史でもある。本格的ドキュメンタリー・ノベル
内容説明
栃木県塩原温泉のホテル日本閣の経営者夫婦が殺されて乗っ取られた事件の犯人は52歳の女性。彼女は以前に夫を毒殺したとあって、〈戦後最大の悪女〉〈昭和の高橋お伝〉のレッテルを貼られ、戦後初の死刑台に昇った女性となった。犯罪小説の第一人者が稀代の猟奇事件、凶悪事件を題材に、犯罪とは何かを追求したクライム・ノベル。
目次
黒い満月の前夜に…
哀れ女獅子の子守唄
魔の淵を漂った姉妹
人われを怪物と呼ぶ
雪の渓谷に架けた夢
冷血姉弟の燃えた朝
ソドムの市の演出者
銃声妖しき元麻布
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TakaUP48
46
8件の殺人事件を追う。「黒い満月~」尊属殺があった頃、3人の子供を産まされ生活困窮で実父を殺害。可哀想な事件。「人われを~」兄嫁への横恋慕で一家4人殺害。「雪の渓谷に~」温泉街で色気の実弾連発で旦那も宿も手に入れた女の事件。何故か、吉永小百合と西田敏行の「天国の駅」を思い出した。現実は全然汚い事件だが。「冷血姉弟~」保険金目当てに実母を交通事故の偽装殺人をした姉弟。「ソドムの~」アフロ・サングラス・散弾銃を持って、銀行襲撃・人質を取って籠城。朝刊に目をの時、特殊部隊の急襲を受け射殺。警察が射殺できた時代。2021/12/22
gtn
9
1970年に大阪四条畷の文化住宅床下から女性の死体が発見された事件。その犯人が、北九州監禁殺人事件の松永太と酷似する。自らは手を汚さず、マインドコントロールされた奴隷が殺害を実行する。松永との違いは、被告のまま糖尿病で死亡したこと。更なる類似犯が出ないことを祈るが、統計的に無理だろう。2019/03/12
Gen Kato
0
再読。どれも救いのない事件ばかり。殺人(時として連続)にまでおよぶ性犯罪者が少なからず刑務所や少年院生活を経験していることは、やはり重要な点ではなかろうか…2014/04/01
wasabi
0
あまりに忍びない殺人群は全8話。前半4話で、これが実話だと思うに堪えがたく、読み進めるのをためらったほど。後半はいくらか情状を考慮できるものもあり、殺人であるにも係わらず妙な安堵に誘われる。もちろん常人であろう我々に理解などできない。しかし、何人も被害者とはなり得る。いや、悪魔がささやけば加害者にならんとも。2007/11/27
丰
0
Y-202007/07/10
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- 和書
- 送り火