内容説明
趙治勲、原慎太郎、山田泰吉、小椋佳、多田雄幸、三浦和義…。それぞれの人生を共に生きて描く人物ノンフィクション。
目次
帰郷
シジフォスの四十日
帝
その木戸を
オケラのカーニバル
奇妙な航海
走る馬車に乗って
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nonpono
55
ヨットの白石康次郎の特集を見ていたわたしを、母が不思議がった。わたしも不思議だったが、ある映像を見て合点した。多田さんだ。白石康次郎は、多田さんに憧れてヨットを始めたんだ。本書を何回も読み、わたしはノンフィクションの世界を、奥深さを知った。「オケラのカーニバル」は絶品だ。世界に名高いヨットレース、スポンサーがたくさんいて有名な戸塚宏や堀江謙一も挑む中、タクシーの運転手の多田さんも挑む。まさにカーニバルのような祝祭に。多田さんの生き様がかっこいい。そして、白石康次郎という多田さんの遺伝子の活躍に泣けてきた。2025/05/28
遥かなる想い
54
文体がよい。あの頃、私はひとつひとつ味わいながら、読んでいた。沢木耕太郎は本書のような素材が向いている。 2010/05/08
KEI
43
昨年10月に読んだ「246」にこの本を出版すること話が出ていたので読んでみた。趙治勲、石原慎太郎、日本初のレストランシアター「ミカド」を作り3年で敗れた山田泰吉、小椋佳、シングルハンドのヨットレースに参加した多田雄幸、そしてロス疑惑の三浦和義と共に時間を共有したルポルタージュ6編。著者は言う「運命という馬車の中に、束の間ではあっても一緒に乗り、走っているのではないか」石原慎太郎を「日々山に岩を運ぶ事を繰り返すシジフォスの様では無かったか」という文章に納得した。当時、石原は敗れ美濃部が都知事となった。2022/01/08
葉芹
11
なんて古びない文章に内容に。常に傍観者でいるくせに本音を吐かすまで侍る様子が窺える。新鮮さを失わないのは澤木さんの腕だ。ルポですよ、それも時の人の。素晴らしい♪2012/01/01
ステビア
7
短編集。どれも良かったけど、多田雄幸についての「オケラのカーニバル」と三浦和義についての「奇妙な航海」が特に好きかな。2011/10/10