文春文庫
路上の視野〈3〉地図を燃やす

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  • サイズ 文庫判/ページ数 266p
  • 商品コード 9784167209070
  • NDC分類 914.6

出版社内容情報

三十すぎると自分に可能なことが地図のようにはっきり見えてくる―二十代のしなやかで鋭い感受性を通して見た異国、そして自分自身について何を考えてきたのか

内容説明

著者は20代の頃「30までは何でもできると思っている。ところが30すぎると自分に可能なことが地図のようにはっきり見えてくる」との小沢征爾の言葉に強い印象を受けた。30を過ぎた今、その言葉がある生々しさを伴って明確になっていく。脳裏に浮ぶ地図をどうしたら燃やし尽くせるのだろうか。異国と自身を語る。

目次

沈黙と喧噪―異国(書物の漂流;仏陀のラーメン;躰の中の地図;汐どき;60セントの豪華な航海;ガンジスの川風;冷たく、明るい元旦;道としてのシルクロード)
地図を燃やす―自身(北の人びとのこと;この小さな事件が;人の砂漠の中で;職業としてのルポライター;名刺1枚;短文の練習;戦無派と終末;「不信の時代」だって?;たったひとつの言葉によって;映像の力、活字の力;アーサーの夜;嵐からの隠れ場所;文章があった;青春の夢、というやつ;ささやかな発端;馬車は走る)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アマヤドリ

12
生きることの深層に近づく、ということについて考えた。その手段としてなにを持つか。2016/04/28

ちぃ

7
ルポライターとしての彼、そして旅人としての彼について“キラキラと輝くフラグメントを集めた”エッセイ集。少年期に読書記録をつける友人を見て、自分にはそんなマメなことできないが、もしやるならそのノートに『本を嚙む』とつけるのに、と考えた沢木さんはやっぱりすごい。読んだもの、見たもの聞いたものすべての経験をかみ砕いて自分のものにした結果、こうして素晴らしい文章ができあがったのだな。リュー・アーチャーの言葉“私は、人々の生活の中に入り込み、また出ていくのが好きなのです…(以下略”は私にもよくあてはまる。2016/07/01

kco

3
2016-96.潮時を。ずっと探していて、もういい加減ここが潮時と思って。そんな「潮時」の本。でも「潮時」を認めるのも怖くていやででももう逃げ場もなくて。はーい!今日が潮時ですよー!と隣の私が全身で叫んでるんだと思う。すんごい大好き、で終われて、よかった。2016/12/06

turutaka

2
3冊目は「旅」。 書かれたタイミング的にこれはまさに「前深夜特急」であり「深夜特急プロトタイプ」となる作品である。 深夜特急にそのまま使われているエピソードもあり、また深夜特急を読み返したくなる誘惑にかられる一冊でもある。 深夜特急で訪れた香港を5年後に再訪する話が白眉だ。2023/11/30

RUI COSTA

2
沢木耕太郎の何が好きかというと彼の文章、そして考え方が好きなんだと実感した。食に関する考え方なんて自分と全く同じだと思った。彼が自分で歩いて、自分で見て、多くの人と偶然或いは必然的に関わって書いたルポライターとしての文章は、彼の旅そのものなんだろう。2017/04/11

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