出版社内容情報
毎日新聞紙上ですぐれた読み手との評判を得た連載書評ペーパーナイフ、山本周五郎、井上ひさし、田辺聖子、向田邦子等について若若しい視点で論じた作家論を収録
内容説明
著者は少年時代に、もし読書ノートをつくるなら表紙に「本を噛む」と書きたいと思ったそうだ。どんな作家にも呑み込まれないぞ、いやそれどころかその本を自分の歯で噛みしだいてやるのだ、という気負いがあったためという。優れた読み手との評判を得た連載書評と、井上ひさし、田辺聖子、向田邦子等の作家論を収録。
目次
職人衆の仕事―作家(唐十郎;三島由紀夫;阿部昭;T.カポーティ;P.R.ロスワイラー;井上ひさし;山本周五郎;田辺聖子;5人の時代作家;E.ヘミングウェイ;向田邦子)
ペーパーナイフ―書物(無造作であることの新鮮さ;砂漠の青春;斬る、掬う;パニックの方法;壮大な空騒ぎ;語り口の自在さ;虚しいゲーム;死者の成熟;偶然の連鎖;異国を語ることの難しさ;ハードボイルドとしての「坊っちゃん」;夢の人)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hirayama46
2
沢木耕太郎のシリーズものエッセイ。この巻は作家論・書評だけで構成されております。比較的ノンフィクションが多めに紹介されているのですが、よほどのものでも無い限り30年前に刊行されたノンフィクションには手が伸びづらいなあ、と思いました。小説なら100年以上前の本でも読もうと思えるのですが。/わりと辛辣な論調の書評も多いのですが、あまり反感を抱くことがないのは沢木耕太郎の評価軸にぶれがない所為かしら。2013/02/08
turutaka
1
こちらは書評が中心なのだが、3冊の中で一番頁をめくる指がすすまなかった。 私自身が読んだことがない本ということもあり、本来は沢木耕太郎独自の見方とのズレを楽しむというのが正しい面白がり方であるはずなのだが、残念ながらその効果を生むことなく終わってしまったのだ。2023/11/30
hiratax
0
書評多い。2017/05/16
Hiroshi Takeshita
0
古い書評集で宝探し。厳しい批評も多いが、これは納得。現実として下らない、或いは惜しい本って案外多いから。ベストセラーだからって内容が良いとも限らない。或いは良い本がひっそりと消え去って行く事も多い。だからこそ手当たり次第読んで、当たりに巡り会えた時の喜びは、沢木さん同様に良く分かる。2016/10/03
樽
0
あの向田邦子に解説を依頼された若僧沢木耕太郎、何者?…というのが沢木耕太郎との出会いだった。この解説を読んですぐ彼の著作を探したのがなつかしい。2016/03/23