出版社内容情報
日本の英語教育はこのままでいいのか。その歴史、現状、展望から上達法までを論じ、海外にまで反響をよんだ日本人必読の大論争
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mazda
24
日本では、明治初期には英語力の不満の声が少なかったが、末になるとその声が大きくなってきたという。それは英語力が落ちたということよりも、国内での学問が成熟し、日本語ですべて教育できるレベルになったことで、外国語の必要性が薄れたから、という論については、他の本でも読んだことがある。この意見に基本的には賛成であり、学問が母国語だけで教えられるのだから、英語力が低くなるのは当然であり、逆に植民地化されなかったことに対して日本という国の底力を感じる。英語は本当に必要な人だけやればいいと思うのは、僕だけだろうか?2013/07/09
猫丸
13
冒頭A4ペラ一枚におさまりそうな平泉の提言から始まる。これがいつものヤツ、つまり産業界からの要請に従った英語実用論に見えるから、渡部も余裕を持って「国民的ルサンチマン由来の妄言」と一蹴しようとした。ところが平泉、単なる木端官僚上がりじゃなく相当の知性派。反論に打って出る。ここから数度の応酬を経て問題点が浮き彫りになったわけだから、論争としては珍しく実のあるものだ。論争の勝敗に絞れば平泉の勝ち。渡部は意外な難敵に防戦一方となり、自己の論旨の変転を糊塗する違反行為を重ねた。これは著しく説得力を毀損する。2020/05/05
Riopapa
5
21世紀になって、日本の英語教育はどちらかと言えば、平泉氏の案の方へ近くなってきている。とは言え、平泉案ほど徹底しておらず、中途半端な感がある。お二人に今の状況をもう一度、論じてほしい。2015/08/23
bombo9196
2
どちらかの意見に賛成、というよりはどちらの意見も一理あって面白い議論だなあと感じた。英語教育という分野を勉強するなら欠かせない1冊。2013/11/18
hayatama
2
鳥飼先生が参考文献として挙げられていて、あぁ、卒論で参考文献にしたなぁと、懐かしく再読。渡部昇一といえば、ファナティックなサンケイ論壇の1人として有名だが、あたしの同級生で言語学専攻だったヤツが、あの先生も言語学だけやってたらすごいのになぁ、と言ってたように、その道ではかなりの人物なのである。しかし、この「論争」今から40年前の話である。で、今、進行中の英語教育を巡る議論がこのレベルに達しているかと言えば、全くである。確実にレベルは落ちている。小学校での英語必修化などと聞くと、このお2人一体どう言うやら。2013/10/24
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