感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フランソワーズ
11
三浦綾子(『細川ガラシャ夫人』)は、「人はなぜ、様々な苦しみにあわなければならないのか」を一人の戦国女性に託した。一方の永井路子は、叛服常なき戦国時代、一人の武家の女性が「信・不信」を生涯にわたって問い、答えを見出した女性の生涯を描いた。比べてみると、苛烈な戦国時代の犠牲になった細川ガラシャという武家の女の苦悩をそれぞれの見方で描かれていたのが興味深かったです。→2021/12/12
まゆっち
6
細川ガラシャの生涯。ちょうど今大河が明智光秀なのでタイムリーですね。ガラシャと言えばキリシタンで、関ヶ原の頃爆死したという知識しかありませんでしたが、幼少期から細川家に嫁いでから、父の死、幽閉生活など、どうしてキリスト教にのめり込んでいったのかがよくわかりました。夫婦とは好きや嫌いだけでは割りきれない複雑な関係なんですね…。2020/07/19
敬之
4
遠藤周作の「日本の聖女」を呼んだ影響でガラシヤの物語が読みたく手に取る。 初めて永井作品を呼んだが、あまりの翻訳口調というか、描写ではなく説明で進んで行くのでそこがまず持って好きになれなかった。心境の変化となる肝心な部分が端折られている感があって少し不満足に読み終えた。2015/08/30
shou
4
細川ガラシャの生涯。謀反や裏切りやで目まぐるしく立場が入れ替わる乱世、山中への幽閉や姉妹の安否情報に不信を募らせる前半は読み応えがあった。キリスト教と出会ってからの描写は短く、死に救いを求めた最期のあたりはもう少し掘り下げてほしかった。2013/11/26
鈴木貴博
2
細川ガラシャの生涯を描いた物語。玉の思い、キリスト教入信の動機、決意、忠興との関係、忠興の考えと行動等、史実を踏まえつつ説得力のある重厚な物語となっている。こんな感じだったんだろうなあ、と思う。2021/02/08
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- 和書
- ガラスの階段 文春文庫