出版社内容情報
謎めく女人額田王、恋の女王但馬皇女、天平の風見鶏大伴家持など万葉集を材料に万葉に生きる人びとの素顔をいきいきと描く読み物
内容説明
万葉集に登場するさまざまな人々、恋に敗れた草壁皇子、紫の謎めく女人(額田王)、大忠臣の恋愛讃歌(藤原鎌足)、静寂の人(山部赤人)、天平の風見鶏(大伴家持)、話題の人(長屋王)、恋の女王(但馬皇女)などなど「肩書や表向きの衣装を脱ぎすてた素顔をスケッチ」してその生きざまをあざやかに描いた興味あふれる天平時代の人物群像。
目次
よみがえったプリンスの周辺
「大伴山脈」の風景
奈良の都は揺れやまず
詩魂の世界
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なお
23
とても分かりやすい万葉集の解説書。2020/01/06
かふ
16
平安時代和歌が贈答歌(相聞歌も含む)として宴会芸や出世コースのおべっかとして使われたこと、和歌本来の意味からではなくその背後にある人間関係を探り出して物語る。(この本が書かれた90年代)当時の発掘資料なども検討して、それを現代に照合させ読む「万葉集」はまさに物語作家ならではの興味深い点である。ただ現代の世相に反映させすぎなところはあるかもしれない。「万葉集」の新人類とか。以下、https://note.com/aoyadokari/n/nab73fff0136c2021/11/15
双海(ふたみ)
11
みんな万葉集で本、書く。2014/06/02
秋乃みかく
4
★★★☆☆ 再読。永井さんが万葉の人々をユーモアたっぷりに言葉でスケッチした歴史エッセイ的な本。無教養な自分には歌の良し悪しなんてさっぱりわからないけど、歌を詠んだ人物像や背景を知ると万葉集もとても楽しく思えてくるから面白い(*^^*)万葉人たちの息吹きを身近に感じることができる一冊でした。2014/09/08
kiriya shinichiro
1
歴史に詳しい人に教えてもらいました。永井路子を読むの、何年ぶりだろう……ちょっと人間関係が錯綜してるところは系図でみてもわかりにくいけど、読みやすい万葉集解説本だと思う。あと、筑紫の館が福岡城の中にあると看破した中山平二郎さんは凄いな。一度発見されたのに一部破壊されたり、次の発掘で重要な資料がでてきたり、ドキドキした。2018/05/15