文春文庫<br> 海鳴り〈下〉 (新装版)

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文春文庫
海鳴り〈下〉 (新装版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 352p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167192594
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

この人こそ、生涯の真の同伴者かも知れない。家にはびこる不和の空気、翳りを見せ始めた商売、店を狙い撃ちにするかのような悪意―心労が重なる新兵衛は、おこうとの危険な逢瀬に、この世の仄かな光を見いだす。しかし闇は更に広く、そして深かった。新兵衛の心の翳りを軸に、人生の陰影を描いた傑作長篇。

著者等紹介

藤沢周平[フジサワシュウヘイ]
昭和2(1927)年、鶴岡市に生れる。山形師範学校卒。48年「暗殺の年輪」で第69回直木賞を受賞。著書に「白き瓶―小説 長塚節」(吉川英治文学賞)など多数。平成元年、菊池寛賞受賞、6年に朝日賞、同年東京都文化賞受賞、7年、柴綬褒章受章。9年1月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐々陽太朗(K.Tsubota)

108
いつもながらに藤沢氏の文章は美しい。やわらかな表現で風景や登場人物の心象が鮮やかに表される。読み手の心にしみじみと沁みてくるのだ。若い頃から成り上がることだけを心に決めてひたすら奮励してきた男が自らの老いを感じたときにふと心に揺らぎを感じる。「確かに一応の成功は手にした。しかし、このまま仕事だけで終わっていいのか・・・」と。妻や息子が自分のやってきたことをさほど評価してくれていないとなればなおさらだ。その心の隙間におこうという美しい人が入ってくる。人生は偶然の成り行き、神様のいたずらに翻弄されるものだ。2018/02/14

びす男

96
家族のために必死に働いてきた結果が、こんなものなのかーー。今よりも、ずっと世間の目が厳しかった時代を題材に、不倫に踏み込んでしまう中年男性のストーリー。「家とは不完全ながらやはりしあわせの容れ物なのだ」。そうと知りながら、一代で築いてきた商いが潰れる危うさを知りながら...。一般に言われる「心の浮わつき」とは正反対の、人生をかけた不倫劇に、歳月の重みを噛み締めさせられる。結局作者は二人を逃がしている。読者としても、それで良かったと思う。小説の首尾一貫性は、本を味わう上でそんなに大事でないのかもしれない。2017/02/19

ふじさん

82
新兵衛の心配の種の跡継ぎの幸助が心中未遂、遂には独立の道を歩むことなるが、冷え切った家族関係には大きな変化はなく、商いも試練の連続。そんな中でも、彦助のおこうとの逢瀬は続き抜き差しならない状況に、彦助に再び脅かされ瀕死の重傷を負わせ、すべてを捨てて逃げざるえない状況に追い込まれる。兼蔵の力を借りて、おこうと新たな旅立ちを迎える。暗い場面の行く末には、思わぬ結末が待っていた。新兵衛とおこうが互いに純粋な愛情を貫き通し、すべてを投げ打って新しい人生を歩みだす。藤沢周平の作品では珍しい展開の人情物語の作品だ。 2024/12/22

ふじさん

72
おこうとの逢瀬は続き、抜き差しならない状況に、彦助に再び脅かされ瀕死の重傷を負わせ、すべてを捨てて逃げざる負えないことになる。兼蔵の力を借りて、おこうと新たな旅立ちを迎える。暗い場面の行く末には、思わぬ結末が待っていた。新兵衛とおこうが互いに純粋な愛情を貫き通し、すべてを投げ打って新しい人生を歩みだす。藤沢周平の作品では珍しい展開の人情物語の名作だ。 2020/10/19

優希

58
ほろ苦い感触がありました。人生の目的や本当の「同伴者」について考える新兵衛に哀愁を感じます。家には不和の空気が漂い、商売には翳りが見え始めたところに悪意が襲い掛かるという悲劇続きには何とも言えませんでした。その心労がおこうとの危うい逢瀬に繋がっていったのだと思います。おこうへの想いに仄かな光を見出しても、新兵衛の周囲の闇の濃さは深かったのでしょうね。それがおそらくもう後戻りできないと新兵衛に感じさせたのでしょう。おこうとの恋の結末は描かれていませんが、人生の陰影を心の翳りを軸に書いた名作だと思います。2014/09/13

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