出版社内容情報
郷里山形、生家と家族、戦中と戦後、そして闘病。自らを語ること稀れだった含羞の作家が、初めて描いた貴重かつ魅力あふれる自伝
内容説明
「自分の過去が、書きのこすに値いするほどのものかといえば、とてもそんなふうには思えない」という含羞の作家が、初めて綴った貴重な自叙伝。郷里山形、生家と家族、教師と級友、戦中と戦後、闘病生活などが淡々と描かれ、藤沢文学の源泉をあかす稀有なる記録ともなっている。巻末に詳細な年譜も付した、伝記の決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じいじ
80
大好きな藤沢周平の時代小説、只今読メの本棚は読了60冊でトップの作家です。でも、藤沢さんの幼少時代を過ごした生家は三男三女の大家族、そして彼は学校が嫌いだったなど、プライベートな背景は、ほとんど知りませんでした。この自叙伝「半生の記」を読んで、素顔の藤沢さんを知り、さらに時代小説家の藤沢周平が好きになりました。2023/12/31
ふじさん
79
再々読だが、人生とは多くの出会いや偶然が重なり、成り立つものなのだと改めて思った。自分の人生を振り返っても然り。「自分の過去が、書きのこすに値いするほどのものかといえば、とてもそんなふうには思えない」という含蓄の作家が初めて綴った、貴重かつ魅力的な自叙伝。郷里山形、生家と家族、教師と級友、戦中と戦後、そして闘病。藤沢文学の源泉をあかす稀有なる記録ともなっている。山形の風土や人脈が、彼の作品の骨格となっていることが良く分かった。2024/10/08
優希
53
藤沢さん自身の半生をつづっています。故郷、家族、学校、戦争、闘病などを淡々と描きながら、藤沢文学の原点へと迫っているように思えました。巻末に年譜もあるのが丁寧です。2023/04/25
i-miya
53
2014.02.08(02/08)(再読)藤沢周平著。 02/06 (年譜) ◎S02.12.26生まれ、山形県東田川郡黄金村に父、小菅繁蔵、母、たきゑ(38歳.32歳)次男。 本名、小菅留治。 長姉繁美(11)、次姉このゑ、長兄、久治(7)、あり。 隣家のおばあさんが産婆さんで助かった。 妹、弟生まれる(S05.05) ◎S10(8歳)、担任先生、大久保イチ先生。 通勤バス火災で大久保先生、死亡。 その悲しみ、60半ばの今でもかすかな痕跡。 2014/02/08
ポチ
43
幼少時からの自伝。書かれている文章も優しく暖かく、藤沢周平氏の人となりが表われている様に感じます。結核、幼な子を残して妻との死別…。苦しみ、悲しみが淡々と綴られていることが、一線を越えた人が持つ強さを感じ、胸を打たれました。2016/09/03
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