文春文庫<br> 白き瓶(かめ)―小説 長塚節

文春文庫
白き瓶(かめ)―小説 長塚節

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  • サイズ 文庫判/ページ数 493p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784167192228
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

名作「土」の作者であり、子規が最もその才を愛したという長塚節。旅と歌作にそのみじかい生涯を捧げたこの稀有の人をえがく鎮魂譜

内容説明

37年のみじかい生涯を、人間の世の中に清痩鶴のごとく住んだと悼まれ、妻も子ももたぬまま逝った長塚節。子規にもっともその才を愛されたこの歌よみは、同時に名作「土」を生んだおおきな作家でもあった。旅と作歌にこわれやすい身体を捧げた稀有の人、その生のかがやきを清冽な文章で辿る会心の鎮魂賦。吉川英治文学賞。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

大阪魂

40
藤沢さんの伝記もの、明治大正の作家・長塚節が主人公、長塚さんて「土」の作者て習た記憶あるけど元々は短歌作ってはったんやね、旧家の長男に生まれ借金と病気に悩まされながら37才で亡くなった長塚さん、作家・歌人としては正岡子規とか漱石に認められたんやけど子規の同門・伊藤左千夫に振り回され、歌人達との間に入ったり自分も反発したりで四苦八苦…気分転換と取材と療養かねた旅行しまくって女子に見惚れたり感動を手紙で友達に送りまくってはったんはほんま純粋やなあて思たしええ歌も一杯見れたけど文語文読むの難しいし暗いし疲れた…2025/12/11

ツカモトカネユキ

7
1985年発行。1988年文庫版。清貧な江戸物語の印象が深い作者の芸道もの。舞台は明治から大正に入るあたり。歌人、長塚節の物語。正岡子規のもとに馳せ参じた歌人たちのうちの一人として登場し、地味だが才能のある歌人は度重なる論争、実家の借財と旅に生きたその生涯が語られます。膨大な資料に基づき不足部分を作者が埋める物語は、圧巻です。短歌、俳句に親しみの薄い自分にとっては、作中に登場する歌にいまひとつのめり込めず、読み手を選ぶかもしれません。歌に親しんだ人にはその良さがさらに伝わるのかもしれません。2025/12/04

tnyak

4
旅と作歌に身体を捧げた長塚節の半生を描いた力作だ。 2023/08/14

かみふうせん

4
長塚節という人の話。歌人・小説家。グーグルで見たらとても優しそうな日本美男子。若くして亡くなってしまった。歌の為、旅好きの為、高熱なのに旅して周る、今のコロナの時代では考えられない行動。今の時代に生きていたら若くして亡くなる事も無かったんじゃないかな。2021/02/18

大川 宏

2
 藤沢周平を読んできて、「白き瓶」読了。  本に解説は基本的に不要と考えている。しかし、清水房雄の解説は素晴らしく、「骨の折れる面白さ」とは正にこの本を表し過不足がない。歌心がないので、歌の部分は未消化になるのはこちらの責任。藤沢周平作品としては異色に見られそうだが、外せない作品だろう。短歌も知らねばと思うし「土」も読まねばなるまい。2016/08/18

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