出版社内容情報
深夜に乗せた女の客が車内で死亡。タクシードライバーの蛭間は遺族の懇願で東京から佐賀へ車を走らせる。死者を客として──。
内容説明
タクシードライバーの蛭間正は深夜、新宿で若い女を乗せた。だが、何者かに胸を刺されていた彼女は「佐賀へ連れて行って」と言い遺し、車内で絶命する。遺族の懇願もあり、いつしか蛭間は死者を乗せて佐賀までの1200kmを疾走することに―。正体不明の追跡者が現れるなか、蛭間は困難をくぐり抜けられるのか。豪雨、落石、そして謎の追跡者。数々の困難がドライバーを襲う。戦慄のサスペンス。
著者等紹介
森村誠一[モリムラセイイチ]
昭和8(1933)年、埼玉県熊谷市に生まれる。青山学院大学英米文学科を卒業後、ホテルマンとして勤務するかたわら、評論、小説を書く。43年夏より文筆業に専念。翌44年「高層の死角」で第15回江戸川乱歩賞を受賞。以後、社会派推理の旗手として多くの読者をもつ。48年「腐蝕の構造」で第26回日本推理作家協会賞を受賞。平成15年には第7回日本ミステリー文学大賞を受賞。近年は歴史時代小説も意欲的に執筆。23年には「悪道」で第45回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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もも
4
ミステリーを求めている人にはオススメはしませんが、地味に面白かったです。人情のあるタクシードライバーの蛭間さん、もっといろいろなお客様を載せて、事件を解決して欲しいです。2017/06/10
ひろし
3
幽霊に好かれる蛭間とタクシー。ある日乗り込んだ女性が血まみれで、遺言を残して車内で死亡した。東京から佐賀まで運ぶことになるのだが女性には怪しげな追手が迫っていた。蛭間は様々なトラブルに巻き込まれるのだが幽霊の加護により回避していく。テンポの良い展開で楽に読める。タクシー運転手の物語と刑事物という2つの物語が立っているのだが、個人的にはタクシー運転手へ重点を置いて書いて欲しかったかな。途中から物語が薄くなってしまった。2013/11/10
ヒカリ
2
ドライバー、蛭間、ひるまが自らのタクシーに乗り込んできて死亡した香月雅代を故郷の佐賀県におくる物語。蛭間のタクシーには死体だけでなく、しばしば幽霊が乗り込んでくる。彼がすごいのは、いろいろな事態を受け入れていく、寛容さ、受容性、そして前向きさだ。何度も霊に助けられ、雅代を送りとどける。犯人も見つかった。蛭間の生き方を見習い前向きに生きたい。自分などいつも下向き。2018/09/29
elf51@禅-NEKOMETAL
2
久々に読んだ森村誠一。幽霊とか暴力団とかが出てきてえ?と思うが,男の隠れ家という雑誌に連載されたものでエンタテイメント小説である。気軽に読めるし,やはり安定している。2018/02/14
mino884
2
さすがにそんなことはないだろうと思うお客さんたちが続きますが、それでも楽しんで一気に読むことができました。2014/12/09