内容説明
江戸は木枯らしの季節。夷講帰りの酔客の目は中空の物影に奪われた。稲荷の境内の松にぶらさがっているのは…。流行りのように相次いでおこる心中事件に南町奉行所のはみだし同心・弦一郎は首をひねった。不義密通はご法度の世の中、死んだ男女にはどのようなわけがあったのか。得意の聞きこみで事件の意外な真相を知る。
著者等紹介
森村誠一[モリムラセイイチ]
昭和8(1933)年、埼玉県熊谷市に生れる。青山学院大学英米文学科を卒業後、ホテルマンとして勤務するかたわら、評論、小説を書く。43年夏より文筆業に専念。翌44年「高層の死角」で第15回江戸川乱歩賞を受賞。以後社会派推理の旗手として多くの読者をもつ
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