出版社内容情報
義父殺しの罪で科人となった美貌の娘が何者かに惨殺された。事件の裏に巨悪が蠢く。同心・祖式弦一郎が江戸市中に巣くう悪を断つ
内容説明
泰平の世の人心を引き締めるため幕府が復活させた“鋸挽きの刑”。しかしその最初の科人となった美しい娘は、ある夜晒し場で惨殺されてしまう。抜群の嗅覚をもった同心・祖式弦一郎は、事件の裏に潜む巨悪の存在をつきとめるのだが…。この事件を皮切りに、江戸市中で起こる怪事件を陰で操る姿見えぬ敵との闘いが始まる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kira
17
図書館本。先日読んだアンソロジーで気になったシリーズ。辣腕すぎて上役に煙たい思いをさせる同心・祖式弦一郎が江戸の怪事件を解明し、巨悪と闘う。社会派ミステリの作家さんが時代小説を書くと、かくも硬派なものになるのかと思った。弦一郎はとにかく真面目で正義感が強い。それにしても、鋸挽きの刑を復活させた上様は、正気だったのだろうか。2022/12/25
へたれのけい
4
森村さんが時代物をどれだけ著しているのか知らないのですが、流石に、レベルを保っています。面白い。ただ、贅沢を云わせて貰いますと、江戸の「匂い」がないなぁ。人物に時代の生活臭が不足か。(また、偉そうな批評してるぞ!)。2015/04/24