文春文庫
心はあなたのもとに

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  • サイズ 文庫判/ページ数 604p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167190088
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

投資組合を経営する「わたし」は、翳を持つ風俗嬢サクラに強く惹かれていく。彼女が抱えている「秘密」とは? 傑作長編恋愛小説。

人は他者を所有することはできない。だからどうしようもなく求めてしまう――
投資組合を経営する西崎は、五反田の風俗店に勤める「サクラ」と客として出会う。やがてプライベートで会うようになるうち、彼女は加奈子という本名と、?T型糖尿病という難病を患っていることを西崎に打ち明ける。濃厚な死の予感をまといながら、二人の逢瀬は二年半続き、突然断ち切られた――。そして西崎に残されたのは、加奈子とやりとりした六百四十三通のメールだった。加奈子からの文面は、いつも同じ言葉で結ばれていた。「心はあなたのもとに」。
限りなく切ない、著者渾身の長編恋愛小説。

内容説明

投資組合を経営する西崎は、風俗嬢「サクラ」と客として出会う。香奈子という本名の彼女は、難病・1型糖尿病を患っていた。二人の逢瀬は二年半続き、突然断ち切られた―。西崎の手元には、香奈子からの六百四十三通のメールだけが残された。この時代に生きる男女の「愛」の形を問う。著者渾身の長編小説。

著者等紹介

村上龍[ムラカミリュウ]
1952年、長崎県佐世保市生まれ。武蔵野美術大学中退。大学在学中の76年に『限りなく透明に近いブルー』で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。81年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、98年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、2000年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、05年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

99
不倫ではあるけれど、純愛そのものにも見えました。数々のメールと、それに対する想いから感じる恋する人の心。形はどうであれ、人を好きになるということは環境などどうでもいいのだろうと思います。突然断ち切られた逢瀬の理由が謎で違和感を感じざるを得ませんでしたが。2017/05/13

Take@磨穿鉄靴

75
長かった。平成から令和への連休中に読み終えるつもりがここまでかかってしまった。まず彼女の死ありき。最後はどうなるのか?それを考えながら読む類いの本ではなく既に見えているゴールへ向かって600ページの旅。正直なところ内容については刺さる部分は無かった。同じ事を何度も反復させたりする描写も多く、叩いて潰して引き伸ばして薄めてボリュームを持たせた印象。星新一なら3行で書ける。自分ならこうまとめる。「初老の投資家の三十路の不倫相手が糖尿病で死んだ」これだけ。★★★☆☆2019/05/08

タックン

62
投資家で富裕層の50代の男と30代の元風俗嬢の恋の物語。世間的には不倫ではあるが、純愛に近い感じで描かれている。超合理的でスマートな男性像は作家さん自身の等身大の主観で自身そうゆう経験があるのだろうと思われた。 とにかく1型糖尿病の恐ろしさの理解のなさにへきへきした。この病気にかかり何度も入院したら、安易に旅行も外食ましてや飲酒などできなくなるのに・・・。 最後の加奈子がひっそりと亡くなるところは悲しくなった。 ただ、健気に生きる加奈子の姿と(心はあなたのもとに)という言葉だけが救いだった。2020/10/31

さくゆめ

46
何か大きな出来事がある訳ではない。親子ほど年の離れた男女が出逢い、死に別れるまでを淡々と綴った物語である。ひたすら長かった。主人公は優れた投資家で、かなりのインテリでもある。と、なるとだ。村上氏お得意の蘊蓄語りが随所で炸裂するのは、もはや避けようがない運命。正直くどい、ごめんそういうのいいから!と何度叫びたくなったことか。だけど、それでも。ついに時系列が冒頭に追い付きラストシーンを読み終えた私は、思いがけず涙していた。そうか、そうだったのか。全てはこの瞬間の為の物語だったのか。最後に一言だけ。純愛でした。2019/11/25

ヨクト

24
他の読了者の感想にもあるが、好き嫌いが分かれる内容だと思う。中年男性と1型糖尿病の出会いと別れまでを辿った物語だが、ストーリーというよりは彼らの心情分析がメインであり、その筆力は流石村上龍だと思う。だが、ぼくは本書が嫌いだ。彼らの関係性や考え方、そういったものがぼくを苛立たせる。だか、本を読んで苛立つ。面白くないから苛立つのではなく、面白いけど苛立つ。それは物語としてやはり凄いのではないかと思う。だからぼくは本書が嫌いだけど、また読みたいと思う。2015/08/13

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