感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くるぶしふくらはぎ
16
表題作「幻の男」初出1995年。3遍の中編ミステリ集。若い頃から、この作家の作品を読んでいなかったのですが、急に思い立ってしまい、まずは短編から手に取ってみました。読んだことがないのに、読んでいて懐かしい、読みやすい、慣れた感覚で、古い作品にも関わらず、すうっと世界に入っていけました。2024/12/14
barcarola
6
3編収録。いずれもアリバイもの。表題作はアイリッシュ「幻の女」を連想させるタイトルで、これを読んでみたくて手に取ったわけだが、期待通りに本家(笑)と同様の展開となり、一捻りもあって満足の内容。他2編も十分に楽しめた。2023/01/06
シルク
3
三編の短編ミステリー集。表題作の「幻の男」はトリックが凝っていて真犯人が最後までわからなかった。なかなかの出来。「揺らぐ灯」は映像が目に浮かぶようなドラマ仕立て。熱海の灯のような星美の揺れる心情がよく描けている。2020/01/29
kaikoma
2
作者の他の作品に比較すると、少し展開が粗い様な気もします。否応無く旅情を感じさせる文章はやはり良いですね。特に佐賀県にはまた行ってみたくなりました。社会派推理とは一線を画していますが、その変わった部分の面白さは十分に伝わります。2016/08/26
雄策
1
最近(というわけでもないけれど)の夏樹さんには珍しい社会派でないミステリ。更に舞台が福岡の作品は多いけれどこの短編集の3作のうち2作は佐賀!じ、地味だ…。と思ったら3編とも佐賀の文学賞に関する作品だった。笹沢佐保さんと森村誠一さんの作品も読んでみたくなりました。ボクの一押しは熱海が舞台の「揺らぐ灯」2016/07/31