出版社内容情報
こんどはフィジー、沖縄と南の方角を重点的に回ってみました。ヤシの木陰でビールゴクゴク、生卵ウグウグ、何やら力がわいてきて
内容説明
「ヤシの木と木の間にハンモックを吊り、それに横になって南国の青い空を見ながら南国のビールを飲む。軽い読物なんかを読む。波の音を聞きながらいつしか眠りに落ちる」なぁーんてヤシの木にこだわって軽い気持でフィジー島にやってきたものの、生たまご一つ買うのに大騒動、いまはやりの国際摩擦まで引き起こしちゃった。
目次
ホテルについて
テレビについて
フィジー島
ビールのおつまみについて
後楽園球場の売り子について
デパートについて
銭湯について
沖縄旅行
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポスト丸山眞男・寺
8
面白いなあ。昔誰かが東海林さんの事を『太宰治の正統な後継者』だと書いていたのを読んだ記憶があるが、さもありなんの自虐ユーモア。食べ物話はやはり見事で、『ビールのおつまみについて』はさすが。何か食べたくなる。私は旅行記が苦手なのだが、この本の『フィジー島』『沖縄旅行』の二編は大変面白く読んだ。東海林さだおの筆と好奇心だからだと思う。2012/03/06
アズル
6
最近は、ウォークマンでリズムとってる人をあんまり見かけないですね。時々、東海林さんのエッセイのなかで、「こういう奴、死ね」と書いてあるのを見ると、いつも温厚でのほほんとしているので、「死ね」という一文がいやがうえにも鋭さを増しますね。2014/01/12
hirayama46
4
初出が1981~1984年のオール讀物なので「男の分別学」シリーズの連載のなかで旅を扱ったものをセレクトした一冊なのかな。メインは4回にわたって掲載されたフィジーと沖縄の旅行記になっています。フィジーはとにかく自動車での移動がこわそうだな……と思いました。いまはさすがに道路も整備されているでしょうけれど。後楽園球場の売り子とかパチンコについての話は旅なのかな……。スーパーはわたしも好きです。2024/03/28
ダリア
3
昔、読んだことがあって意外に覚えていた。特にフィジー島旅行記が読みたかったのだ。そうそう、あんまり南の島という雰囲気の旅ではなかったのだよね。天候に恵まれなくて。2021/03/08
mawaji
3
丸かじりシリーズの解説で誰かが「爆笑しながら読んだ」と書いていた本書、なかなか見つからずアマゾン古書で購入。ホテル、スーパー、デパート、銭湯などでホテルマン、レジの後ろの人々、店員さん、番台のおばさんたちの視線を過敏に感じ取りオロオロしてしまう姿は身に覚えがあったりするのですが、これらの行動はサルトルのいうところの「実存主義におけるまなざしの相克」に他ならないと思いました。というのも今月のNHK100分de名著「サルトル 実存主義とは何か」を見たばかりの受け売りに他ならないのであまり深く追求しないように。2015/11/22