出版社内容情報
日雇いを続けるフリーターズユニオンのメンバーが次々と襲われる。格差社会に巣食う悪徳人材派遣会社に挑むマコト。シリーズ第8弾。
内容説明
派遣会社からの日雇い仕事で食いつなぐフリーターのサトシ。悪徳人材派遣会社に立ち向かう決意をした彼らユニオンメンバーが次々襲撃される。「今のぼくの生活は、ぼくの責任」と言い切る彼をマコトもGボーイズも放っておけず、格差社会に巣食う悪と闘うことに。表題作他3編収録。大好評IWGPシリーズ第8弾。
著者等紹介
石田衣良[イシダイラ]
1960年、東京生まれ。成蹊大学経済学部卒業。広告制作会社を経てフリーランスのコピーライターに。97年、「池袋ウエストゲートパーク」で第36回オール讀物推理小説新人賞を受賞。生き生きとした語り口と現在を映しだすエッジの鋭さが高い評価を受けた。受賞作に続篇3篇を加えた『池袋ウエストゲートパーク』(文春文庫)でデビュー。03年、『4 TEEN』(新潮文庫)で第129回直木賞を受賞。06年、『眠れぬ真珠』(新潮文庫)で第13回島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
218
石田 衣良は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。IWGPシリーズ完読プロジェクト,今回は第Ⅷ巻。 https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11337296?sort=book_count&order=desc オススメは、表題作の「非正規レジスタンス」です。続いて第Ⅸ巻へ。2019/01/24
KAZOO
127
このシリーズ8作目で4つの話が収められています。最初の話は母子家庭で表題作となっているのは派遣がらみの話で両方ともほろっとさせてくれます。この主人公は弱者の味方というのがよくわかります。他の2作は家庭がいいところの息子や娘たちの話です。誘拐や写メールがらみの脅しの話です。久しぶりに読みましたが、いつも楽しませてくれてやめられません。2019/04/27
れみ
114
IWGPシリーズ8作目。池袋のトラブルシューターであるマコトが日雇いで働く人たちの窮状を救うべく派遣会社と闘う表題作と池袋の街でゴミ拾いする人とマコトが知り合うことから始まる「池袋クリンナップス」はお話の構成がそっくり。「定年ブルドッグ」はマコトと組むことになった大垣が強すぎて頼もしくて今回の依頼者にかける言葉にもぐっとくる。「千川フォールアウトマザー」みたいなのってニュースで目にするような痛ましい話に繋がることもあるからマコトやマコトのお母さんみたいな頼りになる人がいて良かった。2017/07/15
mura_ユル活動
111
今回はシリーズ8作目。「千川フォールアウト・マザー」と表題作「非正規レジスタンス」は辛い物語で涙、マコトも涙する。特に「非正規・・」はマコトも知らなかった幼少期のことが母親から語られる。「千川・・」は生き延びるだけで精一杯の母子家庭。息子カズくんが必死に暴力を振るうママを庇う。「非正規・・」はワーキングプア関連、派遣会社に立ち向かう。バリアーという言葉、その人を守ってくれている家族や友達、財産や学歴など。読みながら立ち止まって考える、読んで・・は考える。2019/01/13
りゅう☆
97
若くしてシングルマザーになり全く自由も許されない。そんな彼女を救ったマコトの母の語るマコトの過去話にウルッ。/清掃作業リーダーが誘拐?優秀な人間とは街のみんなのために働くこと。そう、マコトのように…。/元彼に恐喝された女。警察官の父から見放されてると思ってたけど「私のお父さん」と呼べるようになってよかった。/非正規としてなんとか生きていく若者。まざまざと見せつけられた格差社会に唖然。けれどもあきらめない、泣かずに笑う、うらまない、切れない。自分の力で生きようとしてる若者の活力を生かせる社会になってほしい。2019/11/21