内容説明
あの銀行を撃ち落とせ!謎の老投資家が選んだ復讐のパートナーはフリーターの“おれ”だった。マーケットのAtoZを叩きこまれた青年と老人のコンビが挑むのは、預金量第三位の大都市銀行。知力の限りを尽くした「秋のディール」のゆくえは…。新時代の経済クライムサスペンスにして、連続ドラマ化話題作。
著者等紹介
石田衣良[イシダイラ]
1960年、東京生まれ。成蹊大学経済学部卒業、広告制作会社を転々とした後フリーランスのコピーライターに。97年9月、「池袋ウエストゲートパーク」で第36回オール読物推理小説新人賞を受賞。生き生きとした語り口と現在を映しだすエッジの鋭さが高い評価を受けた。受賞作に続篇3篇を加えた『池袋ウエストゲートパーク』でデビュー。03年7月、『4TEEN』で第129回直木賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りゅう☆
94
就職浪人白戸にある老人が秘書をしないかと言ってきた。白戸の仕事はキチンとした恰好をし、朝刊を読み、まつば銀行の前日の終値をノートに書き写すことだった。数字の動きに魅力を感じ、マーケットと恋に落ちてしまう。初めての株の売買に一喜一憂し、まつば銀行の悪徳な政略に憤りを感じる。そのまつばに復讐するため老人は動いていた。巨額の金が動くこの緊迫感が苦手で、株に興味がないからなかなか頭に入らない。銀行や株に携わってるとリアル感あって読み応えありそうだけど、サクセスストーリーとしてよくても、遠い世界の話のように思えた。2018/11/25
優希
92
面白かったです。フリーターの「ぼく」が挑む投資の世界。株のことはよくわかりませんが、経済サスペンスとして読むとスリリングさを感じました。株の銘柄や取引など、知力の限りを尽くし、銀行と対決していくのはまさにマーケットの魔術師ですね。最後は驚かされつつも爽快な読後感。投資をしようとは思いませんが、スリルを楽しめました。2016/05/01
ミュポトワ@猫mode
76
お風呂で読書。図書館の廃棄本。なかなか楽しめた。後半は一気読み。面白かった。石田衣良先生はこれが初めてだけれども、こんなに読みやすくかつ、面白い本を書く先生なんだね。知らなかった。そういう意味では図書館の廃棄本ありがとうと言いたい。新しい好みの作家に出会えた。まぁだからと言って池袋ウエストゲートパークを読むかと言われると疑問だが…だって、あれ、長いでしょ?今から手を付けるのはなかなかハードルが高い。まずは石田先生の短編を漁ってみようかなと思う。ま、機会があったらねw2023/12/22
巨峰
74
前半は経済のこともふくめて興味深かい事柄が多々あったが、後半はありきたりというか、逮捕をされないような復讐をもっと頭を使ってしてほしかったと思いました。2018/06/15
まつうら
58
ダラダラとパチンコ屋に通うだけだった白戸青年が、凄腕相場師の小塚老人に目をつけられ弟子入りし、師弟でビッグなディールを仕掛けていく物語。師匠には敬意をもって接すべきと思うが、白戸はしばしば小塚のことをジジイと侮蔑している。なぜだろうと思いながら読み進めると、最後にやっとその理由がわかってくる。ディールが終わると白戸は不正取引で逮捕されるが、小塚はサッと雲隠れして難を逃れる。小塚への憎悪が沸騰しそうになるシーンだが、相場師のノウハウを叩きこんでもらった恩もあるわけで。。。師弟の微妙な距離関係が印象的だ。2023/07/23