出版社内容情報
戦後間もない焼跡の大阪。17歳の開高健とその周辺の泡立つ青春。伝説の同人雑誌時代をはじめ、彼の文壇デビューまでを回想する
内容説明
ナイフで削いだようにざっくりとこけた頬に翳を溜めた、背の高い少年。口数少なく、教室の片隅で息をひそめていた男…。開高健十七歳の肖像描写に始まるこの物語は、戦後文学に比類なき異才の誕生と、その周辺に泡立つ青春の野心と焦燥を、臨場感あふれる文体で描きだした。これぞ、亡き友にたむける渾身の回想記である。
目次
夜はいつ明けるか
沖を夢みる
いくつもの山いくつもの河
夢の渚で
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ツバメマン★こち亀読破中
18
「人間らしくやりたいナ」など、寿屋(サントリー)で有名なコピーを書き、その後は数々の小説を発表して世間の注目を浴びた開高健。辿り着くまでの苦難の道のりを高校の同級生でもある評論家の著者が、友人ならではの目線で描く。彼の出世作「パニック」は、たまたま目にした新聞記事から着想を得て、本を買う金が無いので、昼休みに日本橋丸善で資料を立ち読み、専門知識を記憶して書かれたとのこと。昔読みましたが確かに内容以上に迫り来るものがあり衝撃的でした。再度開高健ブームが来そうです!オーパ!2016/10/25