出版社内容情報
ペリー来航の真の理由、戦艦陸奥爆沈の秘話など、歴史小説に新しい世界を拓いた著者が、取材の過程で発見したとっておきの歴史話
内容説明
鎖国の日本に憧れて単身渡来した変わった米国人、多数の犠牲者が出たトンネル工事の悲劇、脱獄の天才のこと、戦艦の自爆のなぞ、逃亡し続けた蘭学者の足跡、大老襲撃にひそむ真相。歴史の裏面に埋もれた事実を掘り起し、多くの傑作小説をものしてきた作家が、小説には書けなかったさまざまな秘話を披露する興味津々の随想集。
目次
第1章 探りあてた事実(鯨が日本を開国させた;水を吸いつくした魔のトンネル;脱獄の天才 ほか)
第2章 北国への旅(マクドナルドの上陸地;苫前への5年目の旅;小樽の丘に立って ほか)
第3章 小説を書き上げるまで…(小説の映画化;闇の中からの声;プロペラと箒星 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
28
吉村さんがご自分の小説の題材を探しているときに出会った史実の数々をエッセイ風にまとめられておられます。非常に面白く事実は小説よりも奇なり、という言葉がまさにあてはまる気がします。2014/10/10
akira
16
「胸の中に、これらの旅で得たものが蓄積され、それが充満したのを感じた時に、小説の筆をとる」2022/07/24
あんこ
16
吉村氏の作品、取材にまつわるエッセイ。未読の作品も多く、これは読まねばと早速読書メーターに登録した。すさまじい取材量でびっくりする。地方自治体が発行してるような郷土史やなんと警察史さえも誤りがある。氏は公式記録以外の記述は信じないことにしていたそうだ。2017/06/20
ごく
13
著者の「史実を歩く」は大好きな一冊。著者が書く小説は絶対に面白いと思いながら、未だ読んでいない。唯一購入した小説は「三陸海岸大津波」。3・11の数か月後、本屋で見つけ、驚きと共に購入。その時、一緒に購入したのに忘れていた。面白いのはわかっていたが、予想以上。20編の史実の多くが北海道というのも興味深い。「破獄」の主人公を演じた緒形拳氏が「魚影の群れ」で山場となるマグロの一本釣りを成功させていたとは。映画、観てみたい。どれも秀逸だが、「陸奥爆沈」は衝撃的で、事実は小説より奇なりを改めて実感した。 2019/04/05
月世界旅行したい
12
どんだけ武士たちは遊郭が好きなんだよとツッコミを入れながら読んだ。水戸藩と海の関係とか面白い。2015/08/23