出版社内容情報
作家はいかに物を見、虚実を選り分け、対象に迫ってゆくのか─作品に現われない事実の意外さ、不思議さと共に、創作の内側をうかがわせるユニークなエッセイ集
内容説明
一つの事実の背後には、数多くの意外な面が隠されている。取材の過程でぶつかり、作品には表われなかったさまざまな思いがけないエピソードを、改めて紹介する。同時に、いかにして作家が素材を見つけ、資料を探し、取材をし、対象に肉迫して作品を完成させてゆくかをうかがわせる、興味深い好エッセイ集。
目次
創作と記録
告白
眩い空と肉声
立っていた人への手紙
「殉国」ノートから比嘉真一陸軍二等兵
連合艦隊出撃の日
戦記と手紙
「零式戦闘機」取材ノート
手のない遺体
小笠原丸の沈没
水枕に入っていた遺書
「海の史劇」ノートから
「冬の鷹」ノート
「ふぉん・しいほると」ノート
「関東大震災」ノート
「高熱隧道」の取材
心臓移植私見
羆について
五寸釘寅吉
偽造紙幣と観音像
冬の海
中川五郎治について
「漂流」ノート
「幽霊船」に残っていた航海日誌
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふるふる
10
吉村さんが「月刊ダン」に数多く寄稿されていたことをこの本で初めて知った。子供だったから手には取らなかったけど、我が家に何冊かあった「ダン」の中にも吉村さんの文章があったのだろうか…2022/02/08
厩火事
3
吉村昭さんの作品について本人が書いた文章をまとめたモノです。自分が読んだ作品あり、まだ読んでいない作品あり、作家の肉声に近いものが知れてよかったです。解説は沢木耕太郎さんでした。2016/06/23
にやり2世
0
沢木耕太郎の解説が昭についての完璧な解説だと思う!2016/03/31