出版社内容情報
見知らぬ男から受けた好意の代償に、軍用飛行機を爆破させられて脱走し、戦後も長くその身を隠し続けた一少年整備兵の恐怖と苦悩にみちた日々を描く力作長篇小説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんのすけ
1
この本はあとの解説もなく、史実を元にしたのか、全くのフィクションなのかわからないが、読んだ感じでは、なんらかの史実をもとにした話ではなかろうかと思う。 いずれにしても話の展開が予想を超えて進んで行き、一気に読んでしまった。吉村昭ならではの小説と思う。2021/10/23
Cinejazz
0
本編『逃亡』の創作過程が、短編の『月下美人』に克明に描かれていますが、悲惨な戦争の影に埋もれていた一海軍兵士に脚光を当てて蘇らせた、吉村文学の力量の凄さに唯々感嘆するばかりです。2018/06/11